TikTokでウケない人とウケる人を分ける決定的差 テーマと内容を絞り属人性を高めねば広がらない

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余談ですが、TikTokに限らずSNS全般の特徴として、「不幸ネタ」「苦労話」は注目を集めやすい傾向にあります。単に「社長として成功している」という話ばかりのアカウントより、「昔は苦労していた」→「その結果、今は成功している」ということが伝わったほうが、親近感を抱いてもらいやすいようです。

最終的に目指すのはどんなテーマでも受け入れてもらえる存在になることです。その人自身が有名でファンを抱えており、それをやることに一定の人数が興味を持ってくれるような存在になれれば、存在そのものが興味を引くので、ジャンルを絞らなくても受け入れてもらえるようになります。

「●●さんの動画だから見たい」となれば最高

最初は「社長アカウントの人の動画はおもしろい」という動機だったものが、徐々に「●●さんの動画だから見たい」に変わっていくのです。

『TikTokで人を集める、モノを売る 世界一カンタンなSNSマーケティングの教科書』(河出書房新社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

有名YouTuberの例で言えば、HIKAKINさんの動画は非常に「属人性が高い」です。彼は「日常系」の動画の他、商品紹介、ゲーム実況、〇〇やってみた、猫動画、ボイスパーカッションなど、ジャンルを問わずさまざまな動画をあげていますが、そのどれもが高評価を得ています。

これはHIKAKINさんがすでに大量の認知・好感を得ているからで、視聴者は「HIKAKINささんの動画だから見たい」という動機で動画を見ています。

TikTokのアカウントを育てる場合でも同じことです。確かに難易度は高いのですが、最終的には属人性の高い状態を作ることができればベストです。しかし、繰り返しになりますが、ファンがいないアカウントが最初からあらゆるジャンルを投稿してもファンはつきにくいので、注意が必要です。少ないテーマ数から始め、自分が認知されてきたら、徐々に他のテーマも投稿してみるといいでしょう。

前回:「TikTokとYouTube」SNSとして見た時の根本的違い(2022年1月6日配信)

中野 友加里 セントラルフィールドプロモーション 社長

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なかの・ゆかり / Yukari Nakano

広告代理店経営。SNS事業に力を入れており、企業案件の対応、複数アカウントの運用、アドバイスを行う。「社長歴10年」というアカウント(フォロワー47.2K)を自ら運用し、累計再生数約4700万回突破。著書に『TikTokで人を集める、モノを売る』(河出書房新社)。

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