3000人超を取材した男の「話の引き出し方」絶妙技 「1時間でぶつける質問の数は6つ」が適度なワケ

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これには2つのメッセージがあります。ひとつは、時間をもらっていることへの感謝の気持ち。そしてもうひとつは、あなたの時間を意識していますよ、というメッセージです。

これは多忙な人に限りませんが、人の時間というのは、とても大切です。それをもらっていると意識できているか。人の時間をもらうことを当たり前に思っていたり、自分の都合で人の時間を奪ってしまったり、という人が信用されるとはとても思えないのです。

実際、時間を大切にしている人は少なくありません。だから、そのことに気づいていますよ、とメッセージしておく。もっと端的にいえば、いただいている時間を有効に使う努力をするし、時間をオーバーしたりすることはしない、というメッセージです。

腕時計を外してテーブルの上に置いておく

もうひとつ、それを伝えるためにやっていることがあります。それは腕時計を外して、目の前に置いておくことです。少なくとも私は、時計がなければ、時間をコントロールすることはできません。

インタビューする応接の部屋に時計はあるかもしれませんが、私の座る位置からうまく見えない可能性もある。また、凝ったつくりの時計は時間が見にくかったりするのです。

しかも、壁に掛かっていたり、サイドボードに置いてあったりする時計をチラチラと見るのは、あまり恰好のいいことではないと私は思っています。

時間をコントロールしているのではなく、この人は時間を気にしているのではないか、早く帰らないといけないのではないか、と思われてしまいかねない。やってはいけない「おや?」「あれ?」が起きてしまうのです。

同様に腕にはめた腕時計をチラチラとチェックするのも同じだと思っています。不意に手を上げて腕時計をチェックするのは、意外に目立つ動きだったりします。コミュニケーションに集中しているときなら、なおさらです。

腕時計で時間をチェックしている人を見て、「あ、時間を気にしているのかな」と感じたことのある人は少なくないのではないでしょうか。そして相手を気遣う人ほど、そういうことにとても敏感だったりします。「お時間、大丈夫ですか?」という問いが飛んできたりする。コミュニケーションの相手が気にしてしまう可能性は少なくないのです。

だから、腕時計を外してテーブルの上に置く。そうすれば、質問項目を書いたシートを見たり、ノートにメモを取ったりしながら、その向こうに置かれている時計に目を向けることができます。

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