1968年、ビートルズに聞こえ始めた解散への足音 『ジョン・レノン 最後の3日間』Chapter35

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「この国や、アメリカの政府、それにロシアや中国の政府がやっていることの真実、つまり、やつらのやろうとしていること、やつらの本当の目論見をだれかが新聞で報じてくれたらいいんだけどね。やつらは全員、狂ってると僕は思うよ」

「レボリューション」について、ポールは「政治的な要素を堂々と出した曲で、革命について歌ってる。素晴らしい楽曲だよ」としてジョンを擁護した。

役者たちの声はジョンに向けられたヤジでかき消された

6月18日、ジョンはロンドンのオールド・ヴィック・シアターで行なわれた舞台『イン・ヒズ・オウン・ライト』の初日にヨーコを伴って現われた。

2人はお揃いの服に身を包み、最前に並んで座った。

その日まで、ジョンが妻のシンシアのもとを去り、ヨーコと付き合い始めたこと、そしてヨーコがすでに妊娠2カ月であることを知っていたのは、内輪の人間だけだった。

芝居が始まると、役者たちの声はジョンに向けられたヤジでかき消された。

「奥さんはどこだ?」

「シンシアはどうした?」

と彼らは怒鳴った。

「知らないよ!」

ジョンは怒鳴り返した。

劇場の外では、怒り狂ったファンたちが「チンク〔中国人に対する蔑称〕」、「リバー・クワイ〔ベトナムにある川の名前〕」、「イエロー」等と口々に叫んでいた。

2人が外に出ると、だれかがヨーコに向かって黄色いバラの花束を茎のほうから突き出した。ヨーコの手には、バラの棘が突き刺さった。

翌朝には、ジョンとヨーコの関係は世界中に知れ渡っていた。これはジョンにとって、2年前のキリスト発言以来、最大のスキャンダルだった。

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