「もし息子がいじめられたら」児童精神科医の答え

いじめっ子は「何らかのストレス」を抱えている

もちろん上の子には上の子なりのプライドがありますから、下の子と同じように手をかけてほしいとは思いません。でもその分、別の何かがほしいのです。それは「ひとりでやってくれるから、お母さん助かるわ」というほめ言葉かもしれません。下の子に向かって「お兄ちゃんを見習ってね」と言ってもらえたら誇らしいでしょう。

そんなふうに、お母さんには少しだけ、お兄ちゃんの味方をしてあげてほしいと思います。「味方をしているように見せる」だけでかまいません。そんな言葉かけを意識なさるといいのです。

不思議なもので、お母さんが上の子にやさしくすればするほど、上の子は下の子にやさしくなります。逆に、お母さんが上の子に「上の子らしさ」「お兄ちゃんらしさ」を求めれば求めるほど、上の子は下の子にやさしくできなくなるのです。お母さんが下の子にやさしくしているのに、なぜ自分までやさしくしなくちゃいけないのかと、そんな気持ちになるのかもしれません。

どの子にも平等に愛情をいだくのはもちろんいいことです。ただ、上の子にあまり手をかけられない分、少し多めにやさしくしようと、そう思ってお育てになるとバランスがよくなるのではないでしょうか。

10才は課題が増える年齢

お兄ちゃんはいま10才ですね。年齢的にも、お母さんからの目に見えるやさしさが必要な時期かもしれません。

10才というのは「課題」が増える年ごろなのです。学校での人間関係は複雑になってきますし、勉強も難しくなります。自分を客観的に見られる年ごろに入りますから、悩みも増えます。そんな時期は、家庭でのやすらぎや安心感、満足感がいままで以上に必要になります。家庭でのやすらぎという基盤があるからこそ、社会活動、つまり学校での活動がのびのびできるのです。

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