孫に「何でも買い与える義母」スルーしていい理由 児童精神科医が子育てに悩む親へ伝えたいこと

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これから先も、子どもは異なる価値観を受け入れて成長していきます。友達の家には友達の家のルールや文化があること、担任の先生が変わるたびに教室内でのきまりが変わること、小学生と中学生では求められるものが変わること……その1つひとつを子どもはとまどいながらも受け入れます。たった1つの価値観の中で育てられるはずはないし、もしそんなことがあるとすれば、子どもはひどく薄っぺらな人間になってしまうでしょう。

「この先ずっと続いていくのかと思うと憂鬱です」とありますが、そんなことはありませんよ。祖父母と孫が親しく過ごす時間は本当に短いものです。子どもも甘えなくなりますし、祖父母もそれを感じとります。

けれど、あたたかい関係はちゃんと残るのです。わが家の例ですが、うちの子たちは祖父母に本当にかわいがってもらったので、祖父母が衰えて手助けを必要としたときに、イヤな顔をしたり、「あとで」と断ったりすることは絶対にありませんでした。物をとってほしいとか、少しだけ肩を貸してほしいとかいう祖父母の願いを、彼らはいつも快く引き受けていました。それは幼いころ、祖父母に同じようにしてもらっていたからにほかならないのです。

祖父母は、親にできないことをしてくれる存在です。そしてまちがいなく、あなたのお子さんをかわいがってくれている人です。愛情を惜しげもなく与え、幸福を願っている人なのです。そんな人は、ほかにはいません。その愛情をもらわないのは、本当にもったいない話です。

悩み2:すぐ「家を出ていく」小1娘

カッとなって家を出て行く“独立心旺盛”な娘に手を焼いています
(小1と4才女の子の母)

先日、母子3人で入浴中に、娘2人が大ゲンカをしました。どう見ても長女のほうが悪かったので、つい一方的に怒ってしまったところ、長女は「こんな家にはいられない!」と言い放ち、びしょびしょの髪のまま家を出て行きました。わたしも次女もあわてておふろを出たのですが、着替えなどに手間どり、追いかけたのは15分後。マンションの外階段にうずくまっていた長女を発見しました。

結局、家のまわりをウロウロしていただけのようですが、「7才でも家出するんだぁ」とびっくりしました。思えば、4才のころから「早く結婚して2人で住むからパパとママはついてこないでよ」と言う子でした。居心地の悪い家庭にはしていないつもりなのですが……。娘のような独立心旺盛なタイプは、気をつけないと将来的に「家出少女」になるのでしょうか?

小学生になったら、親は子どもを後ろから見守る時期ともいいますし、悩むところです。

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