――結婚相談所では、「好きな相手には選ばれない」と悩まれる方もいるのではないでしょうか。
鎌田:そうですね。「好きな相手に選ばれない」と気付いたときに、男性と女性とではその後の婚活の仕方が変わってきます。男性は"結婚"という結果に執着し出すので、結婚できる相手を選ぶようになる。若くて美人から自分を受け入れてくれそうな相手に、申し込みの幅を広げていきます。
高須:わかります。男性はそういうことができるんですね。でも、女性はゆずれない条件は変えたがらない人が多い。
鎌田:そうそう。女性はいつも気持ちが優先で、寄り添える人、好きになれる人を探そうとするんですよね。
高須:だから、そういう場合にはまず本人の意思を尊重し、あまり口を出さず、思うように活動してもらっています。
鎌田:言っても聞く耳を持ちませんからね。
高須:そうしているうちに、だんだんと「選ばれない」ことに気付いていく。そこからが私たち仲人の出番です。「自分が何を求めているのかではなく、相手が自分に何を求めているか、考えてみましょうか」とか、一緒に活動を進めていきます。
鎌田:婚活疲れっていう言葉がありますが、選ぼう、選ぼうとするほど疲れてしまう。ですので、そういう方たちには、「試しに、選んでくれた人と一度、付き合ってみたらどうかしら」と話しています。わたしも婚活で出会った男性と結婚しましたが、「次に選んでくれた人と結婚しよう」と思っていました。
高須:婚活を続けていると、真っ暗なトンネルを1人で歩き続けているような、心細い気持ちになることがあります。お断りされるたびに振り出しに戻るわけですからね。結婚に向かうまでに、何度も「必要とされていない」という烙印が押されていくような気がしてしまうんです。
鎌田:受験とか、就職活動とか、人生のなかにはいろいろながんばる場があるけれど、そこには何らかのゴールがある。でも、婚活には結婚するか、このまま1人でいるか決めない限り、終わりがない。それってやっぱりつらいと思います。でも、とにかく結婚を望むのであれば、動き続けることが大切です。
――婚活中の人や婚活を考えている人たちには、ぜひこの対談を読んでほしいと思いました。最後に一言ずつお願いします。
鎌田:結婚相談所を運営している人間が言うことではないのかもしれませんが、結婚に関してはもう個人の問題だと思っています。事実婚や、結婚をしない付き合いなど、結婚という形にとらわれないかたちも、いまは普通ですし、”お一人さま”で自由に生きるという選択肢もあります。とにかく、まわりに惑わされず、自分の好きな生き方をしていってほしいです。
高須:コロナ禍では、オンライン婚活など新しい出会い方も生まれました。人とのつながりの大切さを考えるなかで、やっぱり結婚という道を選びたい人もいます。そういう人たちには寄り添って、できる限り応援していけたらなと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら