「特進クラスで最下位」が私の人生に及ぼしたもの 自己否定にとらわれ不登校も経験した
思えば行けなくなるまでも、塾や塾のクラスメイトがイヤで行きたくないと思ったことは何度もありました。でも私は休むことはできませんでした。それは「行かないといけない」「他人をきらってはいけない」という意識が私のなかに強くあったからです。その後、塾から離れても、私のその意識は変わりませんでした。他人を気にすることも目で追うこともやめられず、それが原因で塾と同じような人間関係のトラブルを中学や高校でも経験しました。
先生との出会い
そんなふうにずっと苦しみを抱えてきた私でしたが、カウンセリングの先生からのある言葉で、最近、自分の意識を変えることができました。先生に出会ったのは、不登校だった高校2年生のころ。私はくり返される人間関係のトラブルに疲れはて、「もうどこへ行ってもうまく行かないんじゃないか」と死を望むほど思い詰めていました。そんななか、家族が探してきてくれたカウンセリングへ行くことにしました。
先生は私のこれまでの道のりや人を見ることをやめられない苦しさを、ていねいに聞いてくれました。そして話を聞き終えた先生は一言「なぜ、人を見てはいけないのでしょう」と言いました。
先生の言葉を聞いた瞬間、私は自分の悩みの根本を見た気がしました。きっと先生に出会うまで私はずっと自分の気持ちを否定して、なかったことにしてきたのです。塾のときも中学、高校のときも本当はクラスメイトがこわかったし、苦手だった。そして苦手な人たちがいる場所へも行きたくなかった。でも、その本心を「〇〇してはいけない、◯◯と思ってはいけない」と世間体や自己否定からくる自意識でフタをしてしまっていたのだと思います。そして、気持ちにフタをすればするほどつらい感情にとらわれ、まわりの目ばかり気にして身動きが取れなくなってしまいました。
もし、私と同じように自意識にがんじがらめになって苦しんでいる人がいたら、自分自身はどうしたいのか、または、どうしたくないのか。プラスな感情もマイナスな感情も含めて、本当の自分の思いを肯定してあげてほしいと思います。私は今、高校でゆっくりと自分のペースで生活できていますが、これからも人目が気になってしまう瞬間はあると思います。でも、それでも自分の本音にフタをせず、生きていきたいなと思っています。
(不登校経験者・凛さん・18歳)
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