今、制作現場から最も支持される「意外な俳優」 3位・光石研、2位・正名僕蔵、1位は…

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いよいよ佳境に入ってきました。ここからはトップ3の発表。

3位は、43本の光石研。クセの強い悪役から、おっとりとした善人までこなす名役者ですが、2019年には『デザイナー渋井直人の休日』(テレビ東京系)で俳優生活40年目にして初の連続ドラマ単独主演を飾るなど、正に八面六臂の活躍ぶりです。

2位は、46本の正名僕蔵。失礼ながら少々薄い髪とメガネがトレードマークの名バイプレイヤー。

個性派揃いの劇団・大人計画所属で、ちょっとイヤミな上司役などがピッタリの俳優さんですね。最近では、『真犯人フラグ』(日本テレビ系/2021年)での、相良凌介(西島秀俊)の上司役で怪演されていましたよね。

お待たせいたしました。トップ1の発表です。4年間のドラマ出演本数は、実に52本! その俳優は……笠松将です!

どこか陰のある役が多い印象の若手ですが、2019年には、映画出演本数、ドラマ出演本数のいずれもトップ1に輝いたほど、今、現場から最も求められている俳優です。

最近では竹内涼真主演の『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系/2021年)の元警察官・等々力比呂役や、大河ドラマ『青天を衝け』の最終盤に登場した渋沢栄一(吉沢亮)の孫=渋沢敬三役などが記憶に新しいところでしょうか。

また、特に彼の場合は、配信系のみの作品にも積極的に出演されていることが、さらに本数を押し上げていました。筆者の個人的な感想としては、笠松将が1位になるとは少々驚きでもありましたが(失礼!)。

トップ20に名を連ねた方々は、いずれも4年間に30本以上ものドラマに出演されています。これが何を表しているかというと、主演級の俳優ではなかなか成し得ない本数だということ。

たとえば、木村拓哉、綾瀬はるかがこの4年間に出演したドラマは、いずれも5本ずつです。

「現場から求められている」という意味では、主役も傍役も変わりありませんが、主役の場合は、その俳優を想定して企画⇒作品化、いわゆる“アテ書き”されるケースが少なくありません。そのため、たくさんのドラマに出演することが必然的に難しくなる上、俳優サイドも作品選びに慎重になっていきます。

対して傍役は、たくさんの作品に関わることが可能ではありますが、様々な役柄を柔軟にこなす役者でないと務まりませんし、そうでなければ何度も現場から声がかかることもないでしょう。

そういう意味で、ここにランクインした俳優は、「現場が本当に求めている、欲している役者たち」であると言えるのではないでしょうか?

(文中敬称略)

小林 偉 メディア研究家

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こばやし つよし / Tsuyoshi Kobayashi

メディア研究家、放送作家、日本大学芸術学部講師。東京・両国生まれ。日本大学藝術学部放送学科卒業後、広告代理店、出版社を経て、放送作家に転身(日本脚本家連盟所属)。クイズ番組を振り出しに、スポーツ、紀行、トーク、音楽、ドキュメンタリーなど、様々なジャンルのテレビ/ラジオ/配信番組などの構成に携わる。また、ドラマ研究家としても活動し、2014年にはその熱が高じて初のドラマ原案・脚本構成も手掛ける。

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