「数学的思考の欠如」が経験に固執する企業を生む 「言うべきことを言わない」組織が生まれる理由

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先の一文に、いかにも日本的な、それもいまだに脱却できない「昭和の日本的な空気」を感じたからだと思う。そして、「ゾッ」としたビジネスパーソンが多かったのは、「言うべきことを言わない」「言われたことだけしかしない」姿勢が、私たち自身、身近な人々、そして所属している集団や組織にも多かれ少なかれあり、それを行政処分の公文書の中で厳しく指摘されたからだ。

そして、みずほは昨年末のトラブルで、年始早々に金融庁から報告命令を受けた。

筆者はみずほの風土や姿勢を批判しようとしているわけではない。ただし、「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」の背後にある構造を探っていくことは、とても大切だと思っている。みずほに対する行政処分の話から始まったが、これから述べていくことは、みずほ以外の企業、組織の風土や行動にも広く通ずる話として考えてほしい。

「数学的思考」とは理系的スキルではない

「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」が組織に醸成される理由はさまざまあるだろうが、中でも重要なのは「数学的思考」の欠如だと考えている。

そのように指摘をすると、いわゆる「文系社員」が幅を利かせている企業風土を連想されるかもしれない。またシステム開発において、理系人材が欠落しているようにイメージする方もいるだろう。

もちろんそのような課題もあるだろうが、ここでいう「数学的思考」というのは、もう少し広い意味で書いている。それはこのような意味だ。

ありのままを見て、都合の悪いことに目をつぶらず、もっとも適切な解を探し、オープンに議論をすること。

つまり、客観的かつ論理的に思考するということだ。そのためには「いま起きていること」を明らかにして、そこからの原因究明と解決への道筋をコツコツと探っていけばいい。

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