「GAFAを敵視する人」に欠けている未来的な思考 25年後にGAFAが残っているか考えてみよう

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現在では大きくなることが呪いであるかのように、アンチ巨大化が流行りです。しかし私はそうは考えません。ネットワークにとっては、大きいことが非常に自然ですし、大きくなれば他人にも役立つのです。ずっとそのままでなくならないというのも困りますけどね。

大会社は将来大きくなる会社に取って代わられ、またその会社が次の会社に取って代わられます。しかしそれらが大きく支配的である間は、消費者や開発者などの関係者にとっては益となる環境ができているのです。

それに、大きいからこそ得られる可能性も存在します。もし月に行こうと思ったら、大きなシステムで大きなロケットを作らなくてはなりません。宇宙ステーションを作ったり地球温暖化を防いだりするためにも、大きなものを作らなくてはなりません。ですから最近流行の「アンチ巨大化」は間違っており、もっと大きな計画やもっと大きな目標を立てるには大組織がなくてはならないのです。

こうした大きな組織が人間の力で支えられ、環境的にも生態学的にも維持できるいいものにしなくてはなりません。巨大組織は、よくも悪くもなりえるのです。

GAFAへの規制は無意味だ

先に述べたように、巨大テクノロジー企業による独占が問題視されており、これらの企業に対して、これから規制や制限が強化されることになりそうです。しかし、多くの人が気づいていないのですが、大会社を規制すると結果的に彼らの力を強化してしまいます。その結果、競合企業が戦えなくなってしまいます。大会社は規制によるコストを負担できますが、小さな会社にはそれができないからです。

規制は消費者にとってはいいことですが、競合企業にとって益はありません。今後デジタル業界での規制は強化されるでしょうが、結局は大会社を強くするだけで、彼らを抑えることはできないのです。

規制はスタートアップ企業には痛手です。例えばEUのGDPR(EU一般データ保護規則)に対応するためには大変なコストがかかり、企業は積極的に対応したがりません。しかしフェイスブックやグーグルは、いくらでも資金があるので規制に従う分は払ってそこに居座ります。一方、スタートアップにとってそれは不釣り合いな重荷で、競争力を削がれます。

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