「サラダ無人販売」がランチ時間にもたらす革命 商品を取り出して、スマホでネット決済する

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ここで注目されるのが自販機の機能だ。完全キャッシュレスであることはもちろん、天候、時間帯、自販機周辺の通行量といったデータに基づいてAIが判断し、商品の値段を調節する「ダイナミックプライジング」という機能が搭載されているのだ。これにより、売れ残りの利益損失やフードロスといった課題解決を目指しているそうだ。

KOMPEITO代表取締役CEOの渡邉瞬氏。メーカーへのコンサルタント業を行っていた経験を生かし、農業法人にコンサルティングを始めたのが、野菜や果物に関わるようになったきっかけ。農業コンサル事業を通じ、生産者とのパイプを築いたという(筆者撮影)

渡邉氏によると、今回採用した自販機は中国のメーカーへの特注品だという。

「国内の自販機のメーカーさんも検討したのですが、タイプが限られていてわれわれの目的に沿いませんでした。われわれはベンチャーとして、世の中の仕組みを変えていきたいという思いがある。普通の自販機でなく、新しい販売システムとして開発したかったのです。今回の自販機は、いったん完成したら終わりでなく、システムを更新できるのがメリット。また低コストも魅力でした」

このように最先端の技術を採用したSALAD STAND。ただ、現在は渋谷ソラスタのオフィスラウンジに設置されているため、本ビルのオフィスワーカーのみが利用可能となっている。

現時点では「自販機の家賃」は無料

現時点では設置台数も1台に抑えマーケティングを含めた試験運用中。2022年年明け以降に後4台の設置が決まっているそうだ。

なお、一般的には自販機を設置する場合も家賃がかかるが、SALAD STANDはビルの所有者である東急不動産と連携し、実証実験として進めている取り組みのため、現時点では無料。将来的には売り上げに応じた料金など、正式な契約を交わしていくことになるという。

「オフィスビルなどでは福利厚生として導入していただくことも可能です。また公共の場、例えば駅の構内なども想定できる設置場所です。商品も、今はわれわれが得意としているサラダに限っていますが、自販機と流通システムを飲食店や生産者にご提案し、商品を扱わせてもらうことも考えられます。例えばシャインマスカットの自販機が駅にあったら、売れるのではないでしょうか」

冒頭に紹介した自販機のデータからも、自販機の「人を介さない」という特性へのニーズが高まっていることは明らか。さまざまな可能性がありそうだ。

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