「サラダ無人販売」がランチ時間にもたらす革命 商品を取り出して、スマホでネット決済する

拡大
縮小

次に、「CRISP SALAD WORKS」の取り組みについて取り上げよう。同チェーンは2014年にカスタムチョップドサラダ専門店として誕生以来、次々に新しい取り組みを紹介してきた。そして2021年11月1日に、“会計の必要がない新業態”としてCRISP STATIONを東京丸の内丸ビル地下1階にオープンした。

同店がある丸ビル地下1階は、ランチ時間帯ともなると総菜を購入するオフィスワーカーたちであふれるスポット。会計を待つ行列もあちこちで発生するので“密”が心配になるほどだ。

しかしCRISP STATIONでは、

① 冷蔵庫内に並ぶサラダを選ぶ、②扉を開けて取る、③そのまま持ち帰る
だけでよいので、10秒程度で済んでしまう。会計はサラダのパッケージに記載されているQRコードをスマホで読み込み、ネットで済ませる。食べ終わった後でもいいし、うっかりして支払いが翌日になってしまっても、お店側は少し困るものの、大きな問題はない。

配送は自社のデリバリー網を活用し、午前午後にそれぞれ1回行い、在庫を拡充する。なお、付近には防犯・商品の衛生管理上、監視カメラが設置されているそうだ。

「お客様の購入体験をアップするため」

CRISP STATIONを立ち上げた理由について、CRISP SALAD WORKS代表取締役の宮野浩史氏は「お客様の購入体験をアップするため」と説明する。

CRISP STATIONでは商品パッケージのQRコードを読み込み、キャッシュレス決済。写真中の価格は改定前のもの(筆者撮影)

「購入するためにレジ前に並ぶ数分の生産性のない時間は、ビジネスパーソンにとってムダですよね。日本経済にとってもとんでもない損失と考えます。

そして丸の内エリアになると全体の7割がモバイルオーダーで注文していただいていますが、ランチ時間などにお届けする場合、注文は午前11時ぐらいにしていただかなければ間に合わない状態です。ビジネスパーソンの立場になって見れば『それどころじゃない』という時間帯ですよね。であれば、持っていくだけ、10秒で済む購入の仕方はないかと考えました。当初はセルフレジを置くことも検討しましたが、実のところセルフレジは事業者側にとってはありがたいが、お客様はどちらでもいい。とにかく待たされなければいいわけです」

次ページ価格を全品1295円に統一
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT