「サラダ無人販売」がランチ時間にもたらす革命 商品を取り出して、スマホでネット決済する

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特徴は協力工場でカットした新鮮な産直野菜を使用し、たんぱく質も含め200gほどとボリュームもある、栄養バランスのよいサラダとしているところだ。種類は「スモークサーモンとチーズの贅沢サラダ」「国産丸大豆の島豆腐とお豆のプロテインサラダ」など6種類。価格は980円で統一している。

渋谷ソラスタのオフィスラウンジで試験運用されているSALAD STAND。スマホでキャッシュレス決済できる(写真:KOMPEITO)

KOMPEITO代表取締役CEOの渡邉瞬氏に聞くと、自販機の検討はコロナ前から始めていたという。

「2014年から始めたOFFICE DE YASAI事業の中で、サラダやスムージーなど、野菜のニーズが高まってきているのを感じていました。またアメリカや韓国などでサラダ専門店が人気を集めるなど、世界的に野菜、サラダが流行している。人口減少やコスト低減のために自販機のニーズも高まっていると考え、サラダ自販機のサービスを思いつきました」

「置き型社食」で顧客を広げてきた

同社の置き型社食は企業の福利厚生として採用されることが多く、低コストのため、中小企業やベンチャー企業などに顧客を広げてきた。小さな冷蔵庫をオフィスに設置し、同社が定期的に中身を配送、賞味期限等の管理も行う。料金は、商品150個分の基本プランの場合月に約5万円。これにプラスし、社員が購入した商品の代金1個100円×販売数分がKOMPEITOに支払われる。

現在、累計3000拠点にサービスを提供しているが、うち、1000拠点ほどはここ1年内に契約した企業だそうだ。コロナによる飲食店の休業、時短営業の影響や、社員のリモートワーク化が理由として挙げられる。もともと社食を備えている企業が、管理のコストや手間がかからないOFFICE DE YASAIに切り換えるケースもある。

野菜の鮮度が同社の売り。食べられる花などで彩りを添えているのも、SALAD STANDの食事を楽しんでもらう工夫の1つだ。写真は国産丸大豆の島豆腐とお豆のプロテインサラダ(筆者撮影)

同様の置き型社食のサービスはほかにもあるが、同社の強みは野菜やフルーツ。千葉や和歌山など生産地を始め、各エリアに製造・仕分け工場を置き、最短で収穫翌日にオフィスまで届けることができるので、スーパーやコンビニで購入する総菜とは鮮度が違う。

SALAD STANDはその新鮮野菜を使ったサラダに特化し、オフィスの冷蔵庫を自販機に置き換えたもの。

次ページ注目は自販機の機能
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