同じ間取り・面積でも階数で価格差がつくし、向きによって価格差が生まれ、眺望として何が見えるかで大きく価格差がつけられる。最上階は高くなるし、角部屋で2面から採光が取れると何%高くなると言ったことは過去の価格表から数値で体系化される。その一般的な法則性を使って、部屋毎の高い・安いを相対的に判定することができる。
販売中の新築の価格表を大量に集め、それをエクセルなど表計算ソフトに入力し、法則性に当てはめた場合の標準的な価格設定に対して、相対的にいくら高い(もしくは安い)かをロジックで判定するのだ。もちろん、前に建物があって眺望が悪いとか、最上階の天井高が非常に高く、別格だとか現地で個別の条件を調べた方がいいことは確かだが、おおかたはこの方法で相対的な割高度・割安度は判明する。
こうした分析は筆者が運営するマンション情報サイト「住まいサーフィン」でコンサルティングサービスとして提供しているが、自分でやるなら、まずは以下をやってみよう。
住戸毎の価格と面積を入力し、割り算して単価を算出する。候補になっている住戸に絞って、その単価が自分の感覚と比較して割安な住戸が、自分にとってのお買い得物件になる。自分が気に入った住戸を買いたい人はそれでいいだろう。しかし、自分の好き嫌いではなく、売却時にできるだけ高く売ることを重視する人は別のやり方を取ろう。そうした場合は、みんなが好きそうな部屋を選ぶのだ。変わった間取りよりもシンプルな間取りを選ぶといった具合だ。
顧客は売り主に「ランク付け」されている
売り手からすると、結局買ってくれない顧客との接客は時間の無駄でしかない。では、買ってくれる顧客とはどういう人なのか?それには2つの要件がある。1つは、買えるだけの資金力があるかだ。それは、住宅ローンが確実に通る人だと思えばいいだろう。もう1つは、この物件を買う意欲がどれほどあるかだ。そのレベルを2つに分ける販売会社もあるし、もう少し細かく分ける会社もある。
この2つの要件を高水準でクリアしている人は、抽選で落ちても怖くはない。キャンセル住戸が出たら、自分に白羽の矢が立つからだ。第一希望の住戸で買えなかったとしても、買えることには変わりはない。そうした権利を得るために、ローンの仮審査を高額な水準でクリアしておきたい。そして、是非この物件を買いたいという意思を伝えることは重要だ。こうしたことをやっておけば、運は呼び寄せることができるのだ。買いたい物件の時は是非うまく振る舞ってもらいたい。
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