国内の新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いているが、新たに確認された変異型「オミクロン株」への警戒感が高まっている。ただ、12月15日(水)に発売した『会社四季報』2022年1集(新春号)では、夏場の感染拡大を乗り越えた日本企業の業績回復基調が鮮明となった。
四季報予想を集計した結果、今期(2021年10月期~2022年9月期、対象3481社)の予想営業利益は23.7%増加の見通しに。同22.1%増だった『会社四季報』秋号(2021年9月発刊)から増益率が拡大した。
見出しランキングから見える好調ぶり
記事の見出しランキングもポジティブなワードが占めた。最も多かったのが、前号から営業利益予想を引き上げたことを示す【上振れ】だ。2位に入った【続 伸】は、前期、今期と連続で営業利益が大きく伸びていることを示す見出し。3位の【上向く】は、前期まで業績不振だった会社が今期は持ち直しているケースに使われる。
業種別では、31業種(銀行、保険を除く)の中で営業減益となるのは、「情報・通信」「電気・ガス」「建設」の3業種のみ。情報通信に関しては、投資評価益が急落するソフトバンクグループ(9984)に足を引っ張られる影響が大きい。一方、「空運」は連続赤字に沈む。
残る27業種は「鉄鋼」や「海運」「卸売業」「サービス業」「輸送用機器」などが大幅増益となり、「陸運」は黒字転換となる見通しだ。
上場市場別に見ると、東証1部、同2部、ジャスダック、新興市場すべてで2桁以上の営業増益となる予想だ。前期比では東証2部とジャスダックが増益に転じる。
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