「老後2000万円あれば安心」信じる人の意外な盲点 「人と人の繋がり」見れば経済の本質がつかめる

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正解は……「C:平日のうちに働いて、使うお金を貯める」です。

お金ばかり見て生きていると、「日曜日に休むためには、平日のうちにお金を貯めておけばいいじゃないか」と思ってしまいますが、「みんな」が日曜日に休むわけですから、お金を使うことができません。

見落としがちですが、働く人がいないと、お金は力を失ってしまいます。お金が力を発揮できるのは、働く人がいるからなのです。お金だけを見るのではなく、人と人の繋がりにも注目すると経済の本質がよく見えてきます。

実は、私たちが不安に思っている年金問題も同じです。先程の問題の「日曜日」を老後に置き換えると、問題はこうなります。

「みんなが老後に休もうとしています。そのための準備としてふさわしくないのは次のうちどれでしょうか?」

もちろん、すべての人が同時に老後を迎えたりはしませんが、少子化によって、働く人が相対的に減っていくのは確かです。ところが、年金問題といえば、どうやってお金を増やせばいいのかという話ばかり。

「老後を迎えるまでに2000万円蓄えないといけない」「いやいや、4000万円ないと安心できない」……年金問題はお金の問題だと考えがちです。

お金がいくらあっても「働く人」が増えるわけではない

この年金の話題になるとよく見かけるのが、「何人の現役世代が、高齢者を支えるか」という話です。

現役世代の人口は減り続ける一方で、高齢者は増え続けています。1970年には8.5人で1人の高齢者を支えていたのが、2020年には1.9人にまで減りました。このままでは、2050年には1.3人で1人を支えることになってしまいます。

次ページもしも高齢者全員が2000万円貯めたら?
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