「老後2000万円あれば安心」信じる人の意外な盲点 「人と人の繋がり」見れば経済の本質がつかめる
1970年に老後を迎えた人たちが子育てをしていた1940年、1人の現役世代が1人の子どもを育てていました。このころは、社会全体で協力して子どもを育てていたのです。
それが今では、1人の子どもを3人の現役世代が支えている計算になります。現役世代それぞれの負担は、3分の1まで減っているのです。
今、少子化の話題になると必ずと言っていいほど、子どもを「産む」話から議論が始まります。戦後は3人を超えていた出生率が、今では1.3人まで下がっているという話です。
これは不思議な話ではないでしょうか?
年金問題においては、「1人の高齢者を○人で支えている」という話になるのに、「1人の子どもを○人で支えている」という話にはならないのです。高齢者の生活は社会全体で支えるのが当たり前になっているのに、子育てについては、社会全体で助け合うという発想はなくなっています。
「親の負担」だけがどんどん増えている
この子育ての負担に関して誤解してほしくないのは、減っているのは社会の負担であって、親の負担ではないということです。親の負担はむしろ増えています。
安心して子どもを外で遊ばせられなくなりましたし、小さい子どもを連れて出かけると周囲の目は厳しいものがあります。
また、「子どもがうるさい」という理由で公園の使用制限があったり、「土地の経済価値が下がる」という理由で子育て支援施設の建設が反対されることもあります。
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