HOYA、創業家経営者に問われる“負の影響力”の自覚《新しい経営の形》

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偏った社外役員の選任 経営の独立性に疑問符

一つ目は、取締役メンバーに関する点だ。2002~04年の間にコンサルティング報酬としてHOYAから700万円を受領していた人や、6社18公益法人で兼務する人が名を連ねる。ツテ頼りの選任ゆえか、同一企業から相次ぎ役員を迎え、技術のトップにも登用するなど、まるで天下り先一歩手前の様相を呈している。さらには、監督される立場の社内執行役3人が取締役を兼務する。いずれも、独立性、透明性の観点から望ましいとはいえない。

株主からも非難の声が上がった。6月18日の株主総会。議決権数380の株主で創業家の山中裕氏が、会社提案とは異なる取締役の選任など15の株主提案を行い(下表)、「取締役会は監督機能を果たしていない」と訴えた。

会社側は「社外取締役の会議への出席率は8割以上。就任年数や兼任が業務の妨げとはならない」と、15議案すべてに反対。一方、第三者的立場で議案を評価する議決権行使助言会社は、一部の提案について賛成を推奨した。総会当日の質疑では「今の取締役会の体制がベストと考えているのか」などと一般株主から批判の声が上がった。

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