統合から1年、コカ・コーラEJが目指す先 国内ボトラー最大手のトップに聞く

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2013年7月、関東や東海地区を商圏とする日本コカ・コーラグループのボトラー4社(コカ・コーラ セントラル ジャパン、三国コカ・コーラボトリング、東京コカ・コーラボトリング、利根コカ・コーラボトリング)が統合し、コカ・コーライーストジャパン(以下、EJ)が誕生した。
世界200カ国に250ほどあるボトラーのなかで、EJは5位の売り上げ規模を誇る(日本のコカ・コーラグループでは、日本コカ・コーラが製品の企画や原液を製造し、国内に8社あるボトラーへ供給。ボトラーはそれを使って製造・販売をしている)。2017年には売上高約5700億円(12年比5.5%増)、営業利益率約6%(2012年度実績は約2%)を目標として掲げている。カリン・ドラガン社長に話を聞いた。
カリン・ドラガン社長は、「(統合という)変化の中でいかにスピードを保つか」を最も重要視しているという。

――まず、世界のコカ・コーラグループの中で日本市場はどのような位置づけなのか。

 日本での販売は、数量でも売上高でも非常に大きな割合を占めている。また貢献している点として、10億ドル以上の販売規模を誇るブランドが日本から生まれていることも挙げられる。たとえば「アクエリアス」は日本で生まれ、スペインをはじめ世界各国で販売されている。「ジョージア」もそう。「い・ろ・は・す」もアジア各国で売られている。

それから自動販売機ビジネスを始めるにあたって、日本への訪問を考えないコカ・コーラボトラー社はいない。ビジネス全体の中で、ここまで自販機事業が大きな割合(EJの場合、自販機の販売比率は数量ベースで3割)を占めるのは非常に珍しい。

変革、効率化、設備投資

――統合後のこの1年をどう評価しているか。

 初年度としては悪くなかった。上半期(2014年1~6月)は販売数量が2.6%増(計1億3403万ケース)、売上高も0.2%増で、ともに前年比プラスで終えられた。要因はいくつかあるが、1つは「からだすこやか茶W」など新製品が好調だったこと。即時消費用の小型製品が中心で、数量だけでなく利益も確保できた。

 同時にさまざまな変革も行っている。営業効率を高めるためにタブレット端末を導入し、出先で事務処理ができるようにしている。お客様(取引先)と接触する時間はこれまで1日の勤務時間のおよそ35%だったが、こうした取り組みで65%まで引き上げていく計画だ。

さらに10本の新製造ラインの導入を中心として、2017年までに最大500億円の設備投資計画を立てている。すでに大半は実現しており、これまで外注していた製品を内製化できるようになっているだけでなく、市場に合った製造を柔軟に提供することも可能になっていきている。

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