サントリーが巨額買収、世界市場攻略の成否

米蒸留酒大手を1.7兆円で買収、グローバル化へ大勝負に出た

(写真:ロイター/アフロ)

サントリーが業界の度肝を抜く巨額買収に踏み切った。

1月13日、サントリーホールディングスは、「ジムビーム」など世界的ブランドを持つスピリッツ(蒸留酒)メーカーである米ビーム社を160億ドル(約1兆6500億円)で買収すると発表した。

佐治信忠社長は、「グローバルにさらに大きく成長できることを確信している」とコメント。創業家の4代目社長として2001年から指揮を執る佐治氏にとって、紛れもない大勝負である。

同社を取り込むことで、サントリーグループのスピリッツの売り上げは4000億円(税抜きベース)を超し、世界10位から3位に浮上する。今回の買収が貢献し、目標として掲げてきた売上高2兆円、海外比率25%(12年12月期は売上高1兆8500億円、海外比率約20%)も達成する見込みだ。

実現しなかったキリンとの経営統合

サントリーの大きな転機は以前にもあった。創業110周年を迎えた09年、キリンホールディングスとの統合交渉の席に着いた。しかし、統合比率が折り合わず、翌10年初めに交渉が決裂。当初、佐治社長は、「これまでのキリンともサントリーともまったく違う新しい会社を創る」と語っていたが、思いはかなわなかった。

海外の飲料事業強化に買収を進める中、佐治社長は11年の本誌のインタビューで、「今のサントリーはグローバルになりきれていない」と、道半ばであることを強調している。

もっとも、過去の案件を振り返ると、近年、サントリーグループの買収は大型化。グループの中核会社として昨年7月に上場したサントリー食品インターナショナルが、2100億円を投じて清涼飲料事業を買収するなど、アグレッシブさを強めていることは確かだ。起点ともいえる米ペプコム社買収は、佐治社長が米国法人の社長時代に決定した案件である。

最近の買収で規模として大きいのは清涼飲料ばかり。酒類では目立ったものはなく、スピリッツ事業は以前から提携相手を模索してきた分野だった。そうした中、日本での販売権を持つ取引先だったビーム社の取り込みを決めた。

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