日本企業が「GAFA+X」に謙虚に学ぶべき7大教訓 「本書は2022年を生きるヒントが詰まっている」

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GAFAをはじめとしたビッグテックは、むやみに恐れるのではなく、「そこから何を学ぶか」が大切だといいます(画像:marvinh/iStock)
GAFAの強さの秘密を明かし、その危険性を警告した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は日本だけで15万部のベストセラーになり、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2019 総合第1位」「ビジネス書大賞2019 読者賞」の2冠を達成、日本にGAFAという言葉を定着させた。
その著者スコット・ギャロウェイ教授の最新作『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』がついに刊行され、発売3日で6万部のベストセラーになっている。本書では、コロナ禍でますます肥大化したGAFAと、この4社に匹敵する権威を持つようになる「+X」の巨大テック企業が再び、世界をどのように創り変えていくかを予言している。
いまやあらゆるビジネスが「GAFA+X」に直接、脅かされる時代に突入した。本書はすべてのビジネスパーソンに、明日の「生存戦略」を考えるヒントを提示している。
本書を「2022年を読み解く『予言書』としての価値が高い」と語るのが、ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタントの鈴木博毅氏だ。本書から日本企業が読み解くべき「7つの教訓」を解説してもらった。

2022年を読み解く「予言書」

パンデミックが起きたことで、本来なら10年かけて起きるデジタルへの変化が、1年で促進されました。もちろんアメリカのほうが早いのですが、その流れは、日本にも襲い来るでしょう。『GAFA next stage』は、2022年を読み解く「予言書」としての価値が高いですね。

『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』は、発売3日で6万部のベストセラーになっている(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

前作は、GAFAが一方向に支配を強めていることが書かれていましたが、今作は、減っていく消費、増えていく消費、大学がディスラプターに侵食されていく現状など、複数の重要トレンドが示されています。ここをきちんと理解すると利用価値が高くなります。

コロナが収束に向かえば、売り上げ増加に向けてマーケット研究は各社で急務になります。2022年は新しいスタートとしての重要な年になるはずです。

自社がGAFA+Xに侵食される側なのか、そうでないのかは、本書を読めばわかります。昨日と今日は何も変わらない。しかし、水面下では極めて大きな変化が起きており、強大な会社が多くを飲み込んでいる姿が描かれています。自社に危機感を覚える方も多いかもしれません。

ただ、半年先に起きる危機がわかれば、対処方法がわかります。マーケットが消滅してから気づくより、本書から予測することが極めて重要ですね。

そういった視点から、本書から読み取れる「日本企業がGAFA+Xに学ぶべき7つの教訓」を今日はご紹介したいと思います。

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