「話がわかりにくい人」を卒業するただ1つのコツ 「成果につながる説明」とはいったい何なのか

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今では「説明スキル」をテーマに企業の研修講師として登壇している私ですが、実は最初から説明が得意だったわけではありません。むしろ、極度の人見知りで、コミュニケーションは大の苦手でした。

言葉足らずな伝え方で、「もっとしっかり説明しなさい」と叱咤されることもあれば、いったん話し始めるとマシンガントークのように止まらず「結局、言いたいことは何?」のような指摘を受けたことも一度や二度ではありません。何が正解かわからず、人前で説明をするのがどんどん嫌いになっていったのです。

ただ、大学受験生を支援する仕事がしたく、新卒で駿台予備学校に就職したことで、そうも言っていられなくなりました。予備校講師という職業は「説明」でゴハンを食べる仕事です。説明がわかりやすく、生徒の学力を上げられなくては生き残れません。

そのため私は、それまでの自分の説明の失敗経験を徹底的に振り返り、分析しました。そこで自分がしでかしていた、ある「要因」に気づいたのです。

説明が苦手な人が陥る「失敗要因」

説明が失敗するときは決まって、自分が思いついた順や、なんとなく話したい順で説明しようしていました。そうすると、余計な情報を入れてしまったり、脇道にそれて着地点を見失ってしまったりするのです。その結果、相手に伝わらない説明になってしまっていたのです。つまり、

「組み立てをせずに説明を始めてしまう」

これが失敗する最大の要因だったのです。

辞書の定義によると、「説明とは、相手にわかるように順序立てて言うこと」とあります。だからこそ、うまく説明するためには、話し始める前に、説明を組み立てておく必要があったのです。

この原因に気づいてからは、説明の組み立て方を徹底的に磨くことに注力しました。仕事が「できる人」の説明を録音して書き起こしをしたり、実際にうまい説明をしている仕事先の同僚や先輩にヒアリングをしたりしながら、どのような組み立て方を行えばスムーズにわかりやすい説明が行えるのか研究しました。

そして、仕事の現場でトライ&エラーを繰り返し、成果につながる「組み立て方」のパターンを見いだしていったのです。その結果、予備校に入社してから9年目にして、季節講習会(化学)の受講者数が予備校業界で日本一となることができたのです。

さらに、講師として10年間登壇した後、新しい教育事業を立ち上げるために独立・起業しました。そこでも、想定を超え、毎日が「説明」の連続でした。説明する相手も予備校の生徒だけのときと大きく異なって、さまざまな属性の方々との会議・営業・交渉・プレゼンなどを行うようになりました。そこでも説明の組み立て方を磨いていったのです。

それでは実際に、成果につながる説明はどうやって組み立てていけばいいのでしょうか?

次ページ説明の組み立て方を決める「3つのフェーズ」
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