『七人の侍』と現代 黒澤明 再考 四方田犬彦著

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『七人の侍』と現代 黒澤明 再考 四方田犬彦著

制作から50年以上が経った今でも、『七人の侍』は古典的名作ではなく、アクチュアルなものとして世界中で迎えられ、数多のエピゴーネンを生み出していることに驚かされる。今なお迫害されている人々にとって、百姓が侍を雇い野武士を退ける物語は「心理的な浄化を準備する現役のフィルム」だと、映画史家である著者は語る。

そのうえで、この名作をもう一度過剰な栄光の神話から解き放ち、その映画的構造、制作された時代背景、時代劇映画の中の位置、映画史における意義などを丹念に考察。黒澤明生誕100年の今年、改めて『七人の侍』の魅力を読み解き、いかにしてこの作品が普遍性を持ちえたかを検討していく。

岩波新書 756円

  

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