これをAさんの「しゃべり下手」に当てはめてみます。「何かが不足している状態」がそれですね。自分が苦手な分野でしゃべっても嫌な経験をするだけですから、まずは得意な分野を見つけ、そのことについて短くてもいいからしゃべってみる。これを意識することが重要です。自分が自信を持ってしゃべれる分野をまずはいくつか持ってみる、ということがスタートになるでしょう。
Aさんの場合は、大手企業にお勤めとのことですから、就職活動時に何かしら評価されたから入社できたのでないでしょうか。そういった些細なことも含めて振り返り、周りが自分の強みをどう評価しているかを見極めつつ、強化すべき強みは何かを探索してください。
おそらくAさんは、そのまじめな人柄から、自分の長所を過小評価する傾向があるかもしれません。先ほど、完璧な人間はいないと申し上げましたが、長所がまったくない人もまれだと思いますので、まずは長所を認識し、自分が戦える土俵を探す努力をすることが、最初の一歩となります。
本質的でないことばかり話しても意味がない
ふたつ目の「周囲の目を過剰に意識しすぎる」ですが、「アホ」と思われたくないといった周囲のリアクションが浮かんでしまって躊躇してしまうのでしょう。
これについては、「人は意外と長所で評価される」という話をぜひ念頭に置いてください。さらに「よくしゃべっている人が必ずしも核心を突いたことばかり言っているわけではない」「聞いているほうも、いつも核心を突いた話を聞くことを想定しているわけではない」ということも、事実として認識するべきです。
頻繁に発言するほうが場に貢献しているように見えなくもありません。でも、本質的でないことを9割しゃべり、本質的なことを1しゃべるのと、あまりしゃべらないけれども、本質的なことを1しゃべるのとは、貢献度は同じです。
したがって、しゃべる量で勝負するのではなく、少なくてもよいから自分の得意分野において本質的なことをしゃべることを目指しましょう。
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