“電話恐怖症”男を正社員にしたワケ 「短所」を直す暇があったら「長所」を磨け!

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また、採用面接などで「資格マニア」みたいな人に会うことがありますが、仕事に自信がないから、資格という「なんだかすごそうに見える」看板に頼っているケースが大半です。その場合、当然、評価されません。そもそも私自身は採用において何の資格保有者かという目で候補者を判断していません。

ある資格を取って安心したら、今度は資格保有者同士の競争があった。さらに有資格者であるがゆえの周囲の過剰な期待を背負った。または「資格を持っているのにそんなこともわからないの?」といった嫌味に悩まされる。そんな笑えないケースも多々聞いたことがあります。

要は自信のなさを、資格という「鎧」で隠そうとしているわけですが、根本の解決をしないと、いつまでも自信を持つことはできないのです。

人は短所ではなく、長所で評価される

では、根本の解決とは何か。「経験を積む」ということです。これは世間でよく言われる解決法ですが、事実だと思います。一方で、「何の経験をどのような考え方で積むのか」について、よく考える必要があります。何でも経験すればいいというものではありません。

以前、私の職場でアルバイトとして働いていた人は、極度の「電話恐怖症」でした。仕事はきちんとこなし、社内の打ち合わせでもきちんと発言できるのに、なぜか電話での会話が苦手。電話がかかってくると挙動不審になり、まともにしゃべれなくなるのです。

しかし、私はそんな彼を正社員として登用しました。なぜなら、電話以外の仕事はきちんとこなせて、なおかつ、その分野においては信用のおける人だったからです。

ちなみに彼は当時、30代だったこともあり、電話恐怖症を強制して短期に克服させようとはしませんでした。むしろ彼の強みをとことん磨いてもらう方向で指導したものです。

さて、この話で何を言おうとしているかというと、「人は意外と長所で評価される」ということです。短所が長所をかき消してしまうほどひどいものでないかぎりはそうです。完璧な人間などいませんから、当たり前です。

「自信がない」というとき、一般的には、経験や知識といった「何かが不足している状態」と、「周囲の目を過剰に意識しすぎる状態」が重なっているのだと思います。したがって、「経験を積む」という先ほどの解決策は合っています。

ただし、短所の克服は後回しにしましょう。人は長所で判断されるのですから、まずは長所をとことん磨くのが先です。そのうえで、余裕があれば短所を克服するくらいの気持ちでよいと思います。

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