「愛の不時着」のオリーブチキン、知られざる軌跡 韓国味噌味「ヤンニョムチキン」も広まった

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2021年になって店舗を急激に増やしている、韓国発のチキン専門店bb.qオリーブチキンカフェ。12月21日〜25日にはクリスマス商品を販売。写真はクリスマスbb.qオリジナルボックス(3990円)。オリーブチキン、ヤンニョムチキン、チキンフィンガーなど人気のチキンメニューのほか、ポテト、ラディッシュピクルス、チップス、クリスマス限定サワークリームオニオンソースなどが含まれている(写真:ワタミ)

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以前より、アジアンテイストのスイーツや料理は日本での人気が高い。そしてコロナにより海外旅行に出かけられないことで、目新しい味を求める傾向に拍車がかかっている。

そんな中、韓国発の「bb.q(ビービーキュー)オリーブチキンカフェ」というチキン専門チェーンが頭角を現しつつある。

もとはbb.qチキンという韓国でも最大手のチェーン。日本では2016年12月に上陸後しばらくは3店舗で運営。しかし2021年1月になってから急激に店舗数を増やし、11月末現在は首都圏、愛知、静岡、大阪などに17店舗を展開している。

韓国ドラマ「愛の不時着」に登場

実は本国のチェーンが一時期日本でも話題となった韓国ドラマ「愛の不時着」でたびたび登場したことが、日本での人気に火をつけるきっかけとなった。

さらに、コロナでのテイクアウト・デリバリーニーズの高まりも追い風となったようだ。

オリーブオイルで揚げた軽い味わいの「オリーブチキン」が定番だが、甘辛い韓国味噌味の「ヤンニョムチキン」も、同チェーンによって一般的に。先般、居酒屋チェーンの鳥貴族が新業態として展開をスタートしたTORIKI BURGERのメニューにも並ぶなど、新しいフライドチキンメニューの1つとして定着しつつある。

bb.qオリーブチキンカフェの定番、オリーブチキン(右290円)とヤンニョムチキン(左350円)。ドリンクは、ダブルレモン製法で仕上げられた生搾りレモネード(290円)。オリーブチキンは食感といい味わいといい軽さが特徴で、1本では物足りないと感じるほど。ヤンニョムチキンは韓国ドラマ「愛の不時着」により、日本での人気が高まった(筆者撮影)

ただ、チキンの存在は知っていても、bb.qオリーブチキンカフェがどんなチェーンなのかは謎に包まれている。それは上陸後の数年間、同チェーンが露出を避けてひっそりと運営してきたためでもある。実は筆者も「愛の不時着」が話題となっていた頃に一度取材を依頼したが、当時は「まだお話できるようなことがありませんので……」と断られてしまった経緯もある。

今回、クリスマスシーズンとあってチキンのニーズも高まる昨今、オリーブチキンの味の秘密や日本における運営裏話などを詳しく紹介していきたい。

同チェーンを調べてまず驚いたのが、bb.qチキンの日本版、bb.qオリーブチキンカフェをワタミが運営していることだ。ワタミと言えば緊急事態宣言中、居酒屋業態としては大きな打撃を受ける一方、いち早く持ち帰り業態の「からあげの天才」を展開したこともよく知られている。

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