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「体感定年51歳」韓国で仕事を辞めた人達のその後 知り合いの会社に再就職、バイト、不動産投資…

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  • 菅野 朋子 ノンフィクションライター
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「ここは8カ月ほど働いたでしょうか。途中でお世話になった別の先輩が中堅企業の役員になって海外事業で流通に長けている人を探していると引き入れてくれて、その会社で2年ほど海外事業を任されました」

引き入れてくれた先輩がその会社を退職することになり、パクさんも同時に退職。その後はしばらく休みたいと思い、現在は仕事をせずに50代以上の離職者を対象にしたソウル市の文化センターでYouTubeの作り方を習ったり、紹介してもらったボランティア活動に参加したりと自適な生活を続けている。

老後資金のための不動産と株式投資が盛ん

こんな暮らしを可能にしたのは、退職後すぐに60歳以降の生活資金を組み立てたからだという。

現在、パクさんのひと月の生活費は400万ウォン(約40万円、1ウォン=0.1円で計算)ほど。家族は専業主婦の妻とソウル市内の大学に通う大学4年生の息子がいる。子息の学費は、勤めていた会社が退職後10年間は学費を支払ってくれるシステムになっており心配がない。

こうした福利厚生は企業によってもちろん異なるため、パクさんは恵まれたケースだろう。また、働いていた頃の年俸は1億ウォン(約1000万円)を超えていたため貯蓄もあり、退職金などを元手に不動産投資もできている。

生活費400万ウォンの内訳は大まかに、個人で加入していた2つの年金と所有しているマンションからの賃貸収入だ。マンションは退職金などから購入した。これらの収入に時々、運用している株取引での収入が加わり、さらに国民年金の支給が5年後(63歳から)には始まるという。

パクさんが6年前に52歳で受け取った退職金は慰労金という特別手当も含めて3億ウォン(約3000万円)ほど。ほかの韓国企業の退職金の中でも高額の部類に入る。韓国では、1953年に退職金制度が導入され、社員数の規模により導入は段階的に法律で義務化されてきた。対象者は1年以上勤務した者で、4週中1週の平均労働が15時間以上の者とされ、雇用者が1人の企業にも導入されている。

さきほど触れた不動産投資は韓国では老後の資金づくりのために行う人も少なくない。ただ、最近は、不動産の高騰により株式取引に移っているといわれている。

パクさんと同じように早期に退職した同期たちは今何をしているのかと聞くと、中小企業、保険の外交、カフェ経営、株式取引だった。

役員に昇進したが定年前に退職したケースももちろんある。

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【アメリカに留学している2人の娘の資金が負担に】

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