「体感定年51歳」韓国で仕事を辞めた人達のその後 知り合いの会社に再就職、バイト、不動産投資…
クォン・ソンジュンさん(63歳、仮名)さんは、大手百貨店の食品バイヤーとして働き、役員の任期が切れた後、それ以上の昇進が見込めないとわかった55歳のとき、退職した。大手企業で役員まで務めたため、当時は皆からうらやましがられ、退職後の心配もあまりしていなかったという。
「会社で働いていた頃は辞めた後はうちに来てください、なんて出入りしている複数の業者さんにいわれて、真に受けていました。辞めてもどうにかなるだろうと思っていたら、甘かったです」
クォンさんはそういって苦笑いする。
退職した直後は会社が紹介してくれた下請け業者に就職し、その後、同じような中小企業を転々とした。
「私がその会社にいるメリットは、百貨店時代の人脈を生かして取引ができるようにすることですから、年を追うごとに、どんどん人脈がすり減っていく私にはそんな力もなくなってしまった」
現在最も負担になっているのはアメリカに留学した娘2人の学費と生活費だ。仕送りは年間でおよそ5000万ウォン(約500万円)ほどかかっているという。
「子どもが行きたいというのをあきらめてくれとはなかなか言えないでしょう。貯蓄もまだありますし、働けるうちはもう少しがんばろうと思っています」
宅配もやったが、体力が持たず
クォンさんは中小企業での就職も厳しくなり、思い切って宅配の仕事をしていたが、体が持たず、今は食品加工会社で豚肉をスライスする仕事をしている。収入については教えてくれなかったが、月に300万ウォン(約30万円)ほどだと推算される。
クォンさんも不動産を保有しているが、両親の介護費用も加わり、自身の老後の資金はないと話していた。それでもクォンさんも恵まれたケースだろう。
思わぬ事態に陥った人もいる。
警察大学を卒業しエリートといわれたソン・ジュンギさん(58歳)は警察署長まで務めたが、52歳のときに昇級がかなわず、階級定年となり退職した。退職金もあったし貯蓄もあったので運用していけばどうにかなるだろうと漠然と安心としていた。ところが、予想外のことが起きた。妻が詐欺に遭い、財産のほとんどを失ってしまったばかりでなく、借金まで抱えることになってしまったのだ。
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