積極的な課題挑戦が自分を成長させる近道--『私は変わった 変わるように努力したのだ』を書いた福原義春氏(資生堂名誉会長)に聞く


--「『前例』とか『業界の常識』などというものは、全く信用できない」ともあります。

これもアメリカでさんざん言われたことが印象深い。キミたちのやり方はアメリカでは通用しない。「トリックル・ダウンの原則」があって、化粧品は最高級店に入り、それからだんだん下のレベルの店に下ろしていくのが常識と。しかし、結局、僕たちのやり方、着々と下から上に上がっていくやり方が、今ではアメリカでも常識になっている。

--「人間による泥臭いフィールドワークがなければ、モノ離れと言われる今日の状況から脱することはできない」という言葉の意味は。

ミュージカル映画の『フォーティセカンド・ストリート』を見たことはあるかな。マーシュというすご腕のプロデューサーが、不況の中で再起をかける。ところが、主役がケガを負い、急遽、その他大勢の踊り子から主役を仕立てるはめに。それが大成功。初日の劇場がはねた出入り口で彼自身「マーシュもこれで復活した」との客のつぶやきを聞く。それも、ソフトをふかぶかとかぶって、後ろ向きで出入り口に立ち、反応を確かめようとして。作り手にとっては、そういうことが大事だ。伝聞やまとめた数字データでなく、自ら客のホンネを聞くことだ。

--「上司は豹変せよ」とも。

君子は豹変して成長する。現場にいるときには現場の働き、本社にいるときには大局を見ての働きが重要になる。

立場、立場で変わらないといけない。現場でひどい目にあった人たちが本社に来て、あのときひどい目にあったから現場にはやさしくしてやろうなどとすると、結局経営がだめになる。一方、現場の人も要求ばかりしては本社が困るだろうなどと言っていてはだめだ。現場にいたら現場のやりたいことを主張しないといけない。

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今年から米メジャーリーグ・ラグビーのチームに所属、華やかな選手生活とは裏腹に幾多の葛藤を乗り越えてきた畠山選手。「ラグビーファンの拡大には、リーグのプロ化が不可欠だ」。新天地にいる今だから見えてきた日本ラグビー改革論を熱く語ります。