海外あるある?オバちゃん駅員との仁義なき戦い 楽しいけど、疲れることもある外国での鉄道旅

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すべてのヨーロッパ諸国の切符が横長スタイルかと言われるとそうではない。

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たとえば2011年に購入したクロアチア鉄道国内線の切符は9センチ×8センチと限りなく正方形に近い(逆に何で正方形ではないのだろうか)。ダルマチア地方にあるスプリットを走る近郊バスの切符も同寸法であることから、公共交通機関において切符のサイズを統一しているのだろう。

驚いたのはスプリット駅発ザグレブ中央駅行きの夜行列車の切符。こちらは乗車列車や使用ベッドの番号が手書きになっている。後にも先にも駅で発行された切符で手書きのものはこれだけだ。中には縦長の切符もある。ルーマニア鉄道の切符は8センチ×13センチの縦長サイズとなっており、横長の切符を見慣れた私にとっては驚きだった。縦長のせいか一瞬戸惑うものの、発車時刻や座席番号などの必要情報は上半分に記載されている。

「大切にしよう」と思わせる切符

最もクオリティーの高い切符は現地の旅行会社を通じて購入したロシア鉄道の切符だ。切符にはロシアの国土とソビエト連邦時代に製造された高速列車ER200形が背景になっている。切符の表面は透明カバーで覆われており、自ずと「この切符は大切にしなきゃ」という気持ちになる。

ここで紹介した切符は駅窓口や旅行会社経由で購入したものだ。現在は各鉄道会社のホームページから購入でき、Eチケットが発行される。Eチケットは便利なものの、一般の切符よりは個性は少ない。ヨーロッパにおける切符の「没個性化」も時代の流れなのだろう。

新田 浩之 フリーライター

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にった ひろし / Hiroshi Nitta

1987年兵庫県神戸市生まれ。2013年神戸大学大学院国際文化学研究科修了。関西の鉄道をはじめ、中欧・東欧・ロシアの鉄道旅行、歴史について執筆。2018年にチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」に就任。

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