NFTビジネスはいったいどこに向かっていくのか NFT事業に参戦した経営者が考える新しい時代

拡大
縮小

eスポーツやストリーマーなどのPlay-for-Watchコンセプトが世の中に与えた影響は、少なくないと思います。ほとんどの親は子どもが1日中勉強していても野球やサッカーをしていても怒りませんが、1日中ゲームをしていたら怒ります。「ゲームは時間の無駄」というのがこれまでの教育やしつけです。

なぜ、親が時間の無駄というのか。それは、どんなにゲームがうまくなってもお金を稼げる可能性がないからでしょう。ところがPlay-for-Watchが急速に定着してきて、ゲームがうまくなったら将来eスポーツ選手やストリーマーになることもできるという可能性が出てきました。

もちろん、野球やサッカーでも将来プロになるのは相当ハードルが高いわけです。その意味では勉強に比べて時間の無駄といえなくもない。ただし、その可能性があるか、ないかというのがすごく重要で、子どもが「プロになりたい」とか親が「プロにしたい」と思っていたら、それでお金を稼げる可能性がある以上、誰も無駄とはいえないのです。

つまり、Play-for-Watchというゲームの楽しみ方にもその可能性が出てきたことによって、いまは、ずっとゲームをやり続けることに対しての免罪符が与えられている状況といえるでしょう。

子どもがお金を稼ぐ主役になる「Play-to-Earn」の世界

とはいえ、eスポーツにしてもYouTubeのゲーム実況にしても、それで十分なお金を稼げる確率は野球やサッカーのプロ選手になる確率と同じくらい低いわけです。それがなりわいとして成立するのはごく一部の人に限られます。

さて、こうした状況がNFT2.0のPlay-to-Earnという世界になってくるとどうなるか。自分のつくったマイクラの家が1000万円とはいわなくても、10万円、20万円で売れたという話が頻繁に出てくるはずです。つまり、ゲームをなりわいにする人が格段に増えてくる。すると、ひとつの新しい経済圏というものが生まれてくるわけです。

ここ数年内で、ゲームをプレイして親よりも稼ぐ息子・娘が山ほど出てくる。そう僕は確信しています。つまり、Play-to-Earnの世界では大人ではなく子どもがお金を稼ぐ主役になるのです。

次ページデジタル空間、バーチャル空間ならでは
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT