NFTビジネスはいったいどこに向かっていくのか NFT事業に参戦した経営者が考える新しい時代

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これは何もゲームに限りません。スマホでは、たとえばヤフオク!やMMSメッセンジャーは通用しない。勝ったのはメルカリやLINEです。やはりそのテクノロジーならではの、UI(ユーザーインターフェース、顧客接点)とUX(ユーザーエクスペリエンス、顧客体験)を再定義、再発明したところが勝つのです。

NFTにしかできないこととは何か

さて、新しいテクノロジーであるNFTでなければできないこととは何か。改めて考えてみましょう。

まず、ブロックチェーンならではの特徴は大きく3つあると思います。1つ目はトラストレス。つまり、従来の中央集権的な「信用」を必要としない、自律的に動くネットワークであること。2つ目はインセンティブ(参加するメリット、たとえばマイニングの成功報酬)があるトークンエコノミー(代替貨幣を用いた経済圏)であること。そして3つ目がコピーや改ざんができないこと。

NFTは3つ目の特徴に深く関わる新しいテクノロジーといえます。つまり、NFTの最大の特徴は、端的にいうと、デジタルデータでありながら10個限定とか100個限定とか「限定商品」をつくれることです。限定という情報がパブリックなブロックチェーンに記載されると、世界中の誰もが参照できて、決してコピーや改ざんができなくなります。そのため、NFT化された10個、100個のデジタルデータは限定商品として資産的価値を持ち得るわけです。

実は、リアルの世界でもそれが本物か偽物かはわかりにくい。たとえば、ZOZOTOWN元社長の前澤友作さんが1億1000万ドルで買ったバスキアの現代アートにしてもレオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザにしても、一般の人には区別がつかない出来のいい贋作を案外簡単につくれるでしょう。

でも贋作である以上、それには一切価値がありません。つまり、絵画の価値は作品の出来にあるのではなく、「本物である」という「証明」にこそ価値があるといえるわけです。

裏返していうと、本物という証明さえあれば、贋作にも本物と同様の価値が生まれてしまう。だから、リアルな世界では鑑定書も偽装されるし、それもまた案外簡単なので、素人がだまされたりするのです。

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