ピクサー、東映、ジブリ--アニメ産業、若手育成とヒットの関係

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同社の作風を「商業主義に走りすぎ」(業界関係者)と指摘する声もあるが、「個人の趣味で作っているわけではない」(東映アニメーション研究所の有迫俊彦所長)と、意に介さない。

もっとも、実際に作品を見てみると、たとえば『プリキュア』でも、“商業主義”の枠組みの中で、大人がニヤリとするようなシーンも結構あり、スタッフが楽しんで作っているのがよくわかる。

週5~6本のテレビアニメ、年2~3本の劇場用長編アニメを途切れることなく生産する“工場”に徹することが、仕事をするアニメーターにとっては安心感につながり、楽しんで作る余裕が生まれる。

「鶏と卵じゃないが、安定してヒットが出ないところに、人材は育たない」(有迫氏)。

宮崎&高畑の“個人商店”ジブリはこれまで、豊富な人材を生かしきれていたとは言いがたい。

『魔女の宅急便』の監督補だった片渕須直氏は、09年公開の映画『マイマイ新子と千年の魔法』が世界中で絶賛されている。

外部から招かれ、『ハウルの動く城』を監督するはずだった細田守氏は09年の『サマーウォーズ』が大成功した。共にジブリ以外の場での成功だ。

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