ピクサー、東映、ジブリ--アニメ産業、若手育成とヒットの関係

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スタッフの個性を抑制 育成の概念欠くジブリ

就職先としてのピクサーは超難関。昨年、インターンシップ2人を募集したところ、1万7000人の応募があった。『トイ・ストーリー3』を監督したリー・アンクリッチは、「今、ピクサーの入社試験を受けても入れないよ」と笑う。

そこまで優秀な人材をそろえても、必要なら外部からの人材招聘もいとわない。『トイ・ストーリー3』では、『ロボッツ』のコンセプトデザインを手掛けた堤大介が、アートディレクターとして招かれた。

監督のイメージをビジュアル化するのがアートディレクターの仕事。堤は言う。「僕のように他社から来て、しかも日本人なのに、僕がやろうとすることをうまく引き出し、受け入れてくれた。普通の会社だったらそこまでやらせてくれない」。

ラセター1人体制から発展して、よいと判断すれば社内外を問わず、さまざまな人のアイデアを取り入れる。この柔軟さこそが、ピクサー映画の魅力といえるだろう。

一方で、日本を代表するアニメ制作会社・スタジオジブリでは、どのように作品を制作しているのか。

過去の劇場用長編映画15本のうち、宮崎駿・高畑勲監督以外の作品はわずか3本。ジブリ自身、「当社は宮崎駿と高畑勲の映画を作るスタジオ」(広報部)と認める。

宮崎監督をよく知るアニメ監督の押井守氏は、「宮さん(宮崎監督)は、自分が5人いれば最高だと思っている」と評する。

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