30代で「億」の資産築いた男性が秘める投資の心得 「リスク許容度」はどのように設定すればいいか
ハルさんにとってリスク許容度とは、「どれぐらいの損失なら生活と心に影響しないか」である。
「生活費は、過去数カ月~1年の支出を記録すれば、毎月必要なお金がざっくり把握できます。不測の事態に備える資金も含めて、リスクにさらすべきではないお金の量がわかれば、リスクにさらしてもいい金額もわかるはずです」
過去の暴落時のデータを参考に想定
では、リスクにさらしたお金が自分のリスク許容度に収まっているかはどうすれば確認できるのだろう。
過去の暴落時のデータが参考になる。リーマン・ショックの際のS&P500の最大下落率は月間で見ると約50%、日次では約64%にもなる。ハルさんは、資産が6割程度マイナスになった場合まで想定して投資資金を管理している。
あなたもここで想像してみてほしい。これまでコツコツ積み立ててきた投資信託が100万円になっているとする。突然、暴落しはじめて、1カ月で64%マイナス……つまり36万円になってしまったら、心も生活も耐えられるか? 耐えられる範囲の資金で投資をしてほしいと思う。
「リスク許容度を決めるうえで、知識も重要です。S&P500や全世界株式などは過去の暴落を何度もはね返し、上昇してきた歴史があります。それを知識として知っていれば、資産の一時的なマイナスを精神的にも受け入れられる可能性が高くなります」
そう、長期投資なら「株価が戻るのを待つ時間」もある。生活費に手を付けていなければ、あとは心の問題。「いま、大暴落しているが10年待てば戻るだろう」と思えるかどうかが分かれ道になる。
いちばんもったいないのは、せっかくこれまで積み立ててきたのに暴落が来たとたんに焦って投げ売りしてしまうこと。積み立ては「安いときにたくさん買える」のもメリットの1つなのだから、落ち着いて続けることだ。
(編集・文/綾小路麗香、伊藤 忍)
※『AERA Money 2021秋号』から抜粋
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