30代で「億」の資産築いた男性が秘める投資の心得 「リスク許容度」はどのように設定すればいいか
宝くじに当たって富を手に入れると、人生が暗転するという話がある。宝くじのように運や勘だけで「投資で資産1億円」は達成できない。ブレのない運用手法、失敗から学ぶ姿勢が大切だ。深くてタメになるお金の考え方を、一歩先行く「億り人」である橘ハルさんに聞いた。
橘ハルさんと「リスク許容度」
30代の若さで資産1億円を達成した橘ハルさん。妻、子ども2人の4人家族で普通の会社員だから、生活費もそれなりにかかると思うが、その若さで1億円!? うらやましい限りだ。
ハルさんが株やETF(上場投資信託)への投資をはじめたのは2005年のこと。その3年後に起きた2008年9月のリーマン・ショックをはじめ、数々の非常事態を乗り越えてきた。ラクに億の資産を築いたわけではないのだ。
ここ10年以上は米国株を中心に上げ相場が続いている。ネット上では冗談のように「S&P500への投資はもはや貯金」といった書き込みも見かけるようになった。
ある日、ハルさんは、自身のツイッターで「リスク許容度を把握できていますか?」というアンケートをした。約45%の人が「把握している」と答えたそうだ。
「投資経験の浅い人のほうが『把握している』を選ぶ傾向が強かったのが気になりました。リーマン・ショックのような大暴落に遭遇すると、自分の考えていたリスク許容度が合っていたのか、間違っていたのか、はっきりわかります。
私自身、株式投資をはじめてすぐの2006年1月にライブドア・ショックを経験しました。リーマン・ショックのときも、保有していた日本の個別株が暴落していくのをぼうぜんと眺めているだけでした」
ここ数年で投資信託などを買い始めた人は、ひたすら上がり続けてお金が増えるばかり。2020年3月の「コロナショック」はあったものの、すぐにV字回復した。つまり本物の大暴落を見たことがない人が多いのではなかろうか。