日本の子が授業中「座っているだけ」に陥る真因

「置いてけぼり続出」の一斉授業をどうすべきか

では、どうすればいいのでしょうか。冒頭で書いたように、解決策はカリキュラムを無学年制にして個別最適化の学習に舵を切ることです。つまり、子ども各自の理解度に応じて学習を進めるのです。その点で参考になるのが、無学年制で個別最適化されている公文式、学研教室、すららなどです。

「○年生ではここからここまで」という学年制の縛りをやめて、個別最適化された学習にすれば、どの子も自分の学力に応じたペースで進められます。ある内容を2、3時間で終了できた子は次に進みます。逆に、理解できない場合は、その内容に何時間かけてもいいわけです。

ですから、例えば5年生の子でも、6年生や中学生の内容に進んでいくことができます。逆に、5年生の子が4年生やそれ以前の内容を着実に踏み固めながら進んでいってもいいのです。

家庭学習も個別最適化された内容にできる

このように個別最適化された学習なら、どの子も自分のペースで少しずつ進めるので、達成感を感じながら楽しく勉強することができます。それによって、学力も確実に向上していきますし、自信もついてきます。一斉授業の中でわけがわからないまま座っているなどという、惨めで無駄な時間はなくなります。

その延長線上で宿題などの家庭学習も個別最適化された内容になれば、親が「わが子が勉強しない」と嘆くような状況も大いに改善されていきます。

そして、今やこのような授業が実現できる環境もすでにあるのです。子どもたちは各自タブレットを持っていますし、学校の通信環境もこの数年で一気によくなりました。教材にしても、すでに民間に優秀なソフトが複数ありますから、それを使えばいいのです。もちろん、今後、文部科学省や教科書会社が作っていくことも必要ですが、とりあえずは今ある物を活用すればいいと思います。

もちろん、すべてタブレットでよいというわけではなく、紙のノートに書いたりすることも必要ですが、基本的にはタブレットの「一対一対応力」を活用して進んでいくということです。

さらに言えば、本当は先生の数を増やして、タブレットだけでなく先生も1人ひとりに対応できるようにすればいちばんいいのですが、日本のお寒い教育予算では難しいのが現状です。

読者の中には、「そんな提案は初めて聞いた」と感じる人もいるかもしれません。でも、今は耳新しいかも知れませんが、数十年後には「無学年制と個別最適化」が当たり前になっていると思います。

その時代の人たちに今の実態を聞かせれば、「えっ? 昔は何十人もの子どもたちが、1人の先生から全員一斉に同じ授業を受けて、同じ勉強をしてたの? わからない子はどうしていたの? えっ? わからないまま座っていただけ? それで先生は平気だったの? 親もそれでよしとしていたの? 昔の子どもたち、本当にかわいそう」と言うでしょう。

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