爪に愛!推し文字ネイルに見るオタ活市場の凄み 好きをテーマに事業化「フェリシモの部活」とは
文字のデザインには、「スケルトンうちわ」をイメージ。スケルトンうちわは、クリア素材のうちわにフリルをつけたり、シンプルな文字を貼り付けるアイドルの応援グッズだ。
皆川さんは、山川さんとオタクの共通言語を洗い出し、スケルトンうちわをモチーフにネイルシールを試作した。しかし、できあがったデザインを見て落胆する。
「華やかさに欠けていて、ただ文字が書いてあるだけのネイルシールになってしまったんです。文字だけじゃなくて”かわいさ”が大事だね、ということになって。部長の山川に頼んで、デザインを担当する部署に相談してもらいました」(皆川さん)
「かわいいかよ」=「かわいい、かよさん」!?
デザイン担当の部署を訪れた山川さんと皆川さんは、担当者に経緯を説明。「とにかく推しへの想いを込めた文字にしたい」(山川さん)と伝えた。が、担当者は”オタク文化”にまったく触れていない。もちろん、推しワードとは何たるかを知るはずもない。
「例えば、『かわいいかよ』っていうオタク言葉があるんですけど、担当者には『かよさんって誰?』って聞かれてしまって……(笑)」(皆川さん)
山川さんと皆川さんは、オタク文化や推しワードの意味を丁寧に説明。担当者から次々と投げられる質問に”千本ノック”のごとく答えた。そして、2人の想いを理解した担当者から、あるデザイナーを紹介される。ロゴ制作や作字を得意とするデザイナー・せんざきさん(本名:千崎杏菜さん)だ。
2人は早速、せんざきさんにデザインを依頼。彼女にも”オタク心”を説明し、デザインについてやりとりを繰り返した。最終的には「そうそう!こういうの!」(山川さん)と思える理想的なワードデザインに仕上がった。
「オタクの気持ちを文字としてデザインしていただく。かつそれが『かわいくておしゃれに見える』という部分には、かなりこだわりました」(山川さん)
そして冒頭で説明したとおり、2021年8月30日にウェブ販売を開始。「OSYAIRO ネイルシール」発売時より売れ行きが好調だという。
「購入層がいつも買ってくださっているお客様より若かったり、新鮮な動きをしてもらえました。新しいお客様を”つなぐ”という意味でも、かなり好アイテムだったなと思います」(皆川さん)
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