ゆうパックが「正常化宣言」も前途に不安残す
郵便事業会社(日本郵便)は7月15日、午後7時から記者会見を開き7月1日の発足当初から大量遅配が発生していた宅配便「ゆうパック」の正常化を宣言した。
宅配便事業統合本部長の濱俊之執行役員は、「ペリカン便から引き継いだターミナルの区分機の操作に手間取ったことで全国に作業遅延が波及した。全体として準備に不十分な面があったのではないか。12月のお歳暮期に向けて二度とこのような事態を引き起こさないように万全の措置を講じる」と説明した。
記者団との主な質疑応答のやり取りは以下の通り。
−−なぜ準備が不十分だったのか。
濱本部長 一生懸命準備をしてきたが(作業遅延という)厳然たる結果がある以上、準備が不十分だったと言わざるを得ない。今、検証作業をやっているところだが、もう少しきちんと準備をしていれば良かったというのが検証作業で出てくると思う。詳細はこれから整理していきたい。
−−検証は誰がするのか。
濱本部長 社を挙げて行う。宅配便統合本部が全体をまとめる。
−−ターミナルでの作業遅延はなくなったということだが、末端の遅配もなくなったのか。
濱本部長 遅配はなくなっているとご理解いただきたい。
−−正常化宣言で「お歳暮期」に言及した理由は。
濱本部長 年末に中元期以上の荷物を取り扱う。年末にご迷惑をかけてはいけないという責任の重さを考えて、触れた。
−−そもそも拠点数や人数に問題があったのでは。
濱本部長 検証の中で人数が足りたかどうかを見ないと行けない。遅れがあったときに、遅れを解消するためにヒトを出して荷物をさばかせることをその場その場で柔軟にやっていかないといけない。人数については最初の計画で良かったのかどうかを検証していきたい。拠点数については中元期が終われば現有で回していけるのかなと思う。これも検証しないといけないが。