東京駅丸の内口「日本の中枢」に足りないのは何か

華やかな「赤レンガ駅舎側」寂しく感じる部分も

ただ、とくに夕方から夜間にかけて、交通規制が解除され多くの人が信号待ちをしているところへ、自家用車が1人だけを乗せて通過してゆく場面は、まだまだ「自動車優先」の空気もある。難しかろうが、できれば休日はバスとタクシーが東京駅に出入りするルートを確保して、東京駅、日比谷通り、晴海通り、永代通りに囲まれた丸の内全体が、歩行者に開放されるとよいのだが。

無料巡回バスの「丸の内シャトル」(筆者撮影)

有楽町・日比谷のエンターテインメント街とつながれば、さらに面白い。日比谷から大手町まで、八重洲側と同じく無料で毎日巡回しているバス「丸の内シャトル」と結びつけてもいい。このバスに乗れば、丸の内の全貌が理解できる。1周40分ほどなので、東京に馴染みがない方にもおすすめしたい。

歩いてめぐりたい企業文化の街

新しいビルを建てるだけではなく、三菱一号館の復元と美術館としての再開館をはじめ、重要文化財として保存、今もオフィスとして利用されている明治生命館など歴史的建造物への配慮もある。

丸の内口には「はとバス」の拠点も(筆者撮影)

新型コロナウイルス感染症流行により中止されているが、実は丸の内をめぐるガイド付きのウォーキングツアーを実施している団体もある。歴史やアートについて詳しく知ることができるので、もっと広まってよい施策だ。東京駅丸の内口と言えば、はとバスの本拠地としても知られる。同社の観光ツアーのノウハウと結びついてもよいかもしれない。

国の重要文化財でもある明治生命館(筆者撮影)

著名な企業が集まっている丸の内、大手町だ。さらに一歩進め、小規模でよいから、各企業の歴史や取り組みを紹介する施設、あるいは所有する美術品などを展示する施設を、地域で統一的に自社ビル内に設け、見て回れるようになればすばらしい。

東京駅にはステーションギャラリーがあり、三菱一号館は美術館となっている。明治生命館はGHQに接収されアメリカ極東空軍司令部が置かれた歴史を学べる一般公開も行っていた(現在は休館中)。日比谷になるが、第一生命館にはマッカーサーが執務した部屋が復元されている。こうした展開をもっと広め、アートや科学の上野に対し「企業文化の丸の内」として見学できる施設がたくさん集まれば、さらに街として楽しくなる。JR東日本も、東京駅内に鉄道博物館の分館を置けないものか。

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