500人に1人がコロナ死でも「株価爆上げ」米国の闇 怒れる教授が「GAFA+Xはヤバい」と警告する訳
疫病で人が死にロックダウンされた都市を、なるべく他人と接しないよう食品をデリバリーする人々が走っている。国民の500人に1人が亡くなった。それでも株価は上がり続けるという、薄気味悪い現象が起きていた。
加えて大統領選の大混乱。世界最大の経済大国、軍事大国、自由と人権の国、最先端の科学技術を持つ国……のはずのアメリカが、なぜそんな状況におちいったのだろうか。
大企業と富裕層に取り込まれたアメリカ
ニューヨーク大学教授のスコット・ギャロウェイ氏に言わせると、アメリカは以前からすでに病んでいた。その弱みをウイルスという微小な敵に突かれた結果、病状が悪化したのだ。
ギャロウェイ氏とは『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(東洋経済新報社)の著者である。
彼はその本の中で、これらの巨大企業を経済繁栄のリーダーではなく、「ヨハネの黙示録」に出てくる災いをもたらす四騎士になぞらえ、禍々しいものととらえて警鐘を鳴らした。これら巨大企業は税金を逃れ、プライバシーを侵害し、雇用を破壊する……行き着く先は少数の超金持ちが、圧倒的多数の農奴を支配する社会であると。
2021年12月、その続編となる『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』が刊行された。これは前作をパンデミックの時代に合わせてアップデートしたものだ。
アメリカでは大企業支配により、政府の弱体化、科学軽視、公益よりも金儲け優先という風潮が広がっていた。新型コロナの感染者が爆発的に増えたとき、危険な仕事は貧困層に押しつけられ、一部の国民はマスクをつけるという、ささいな不便さえ受け入れようとしなかった。ウイルスが蔓延するのにきわめて好都合な環境だったと、著者は言う。
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