ある「恋愛バラエティ」が挑む、"壮大な実験"

テレビ離れする若者を取り込む「恋んトス」の仕掛け

ニコラスの心変わりには、「なし」とする視聴者意見が大勢という驚きの結果に

さがP:番組の作り手にとっては、ツイッター上での視聴者のリアクションが予測不可能で面白い! 実際、出演者ニコラスの好きな相手が変わったことに対しての視聴者の反応は、制作サイドで想定していたものとは違っていました。ですから、心変わりは「なし」とするアンケート結果を見て、「一途なニコラスの姿を視聴者は求めているんだなぁ」と知り、びっくりですよ。

番組を作っている私たちは、放送日までの間に番組の映像を何度も見ています。放送日前日まで徹夜が続いていたりすると疲れていることもあり、大きな声では言えませんが、オンエア中は思わず寝てしまうこともあるんです。でも今回は、ツイッターでの反応が気になって寝られない(笑)。作り手側が意図しないコメントに驚いたり、喜んだり、ライブ感を楽しんでます。

Web担やなぎ:ツイッターでは、つぶやきの内容がポジティブかネガティブかの分析もできるのですが、8割以上のつぶやきがポジティブな内容だったことに、いい意味で驚いています。シビアなネットユーザーから厳しい感想をもらうかと思ったら、思いの外、好意的ですね。

ツイッターなどソーシャルメディアの活用による番組の宣伝効果は、評判がよければポジティブな意見が拡散され好影響ですが、番組自体の評判が悪ければ、悪いうわさも通常以上に拡散してしまうという怖さがあります。嵯峨プロデューサーのように企画した時点で「やろう!」と決断できなければ、「恋んトス」のような形でのデジタル技術の活用は難しいでしょうね。

――ところで、視聴率は乱高下しているようですが、ツイート数は放送回数を重ねるごとに増えているとお聞きしました。

ツイッターの反応は回を重ねるごとに増加

Web担やなぎ:表を見て下さい。8月26日6回目の放送日のツイート数は、初回の倍以上になっています。これは、通常のTBSの深夜番組に関するツイート数の10倍近くの値です。

テレビを見るという行為からもう一歩進んだ行動が、ツイッターでつぶやくこと、ツイートの数で表されています。つまり、ツイート数は番組を見ている視聴者に「深く刺さっている」ことのバロメーターになるんじゃないかなと推測しています。

さがP:これまでは、視聴率が下がると不安感にさいなまれたものですが、「恋んトス」では視聴率が下がっても、放送日のツイート数がハネ上がっているのを見て、「深く刺さっているファンがいる」と思えます。視聴者に面白いと思ってもらえる番組を作っていると素直に信じて、頑張ろうと思いますね。

放送を見た視聴者が学校や会社で感想を言い合っていた時代には、番組の評判は学校、会社という限られた場で共有するもので表に出てくることはなく、作り手に届くのは視聴率という数字だけ。視聴者の声が直接届くことはありませんでした。

せっかくなら作り手たちも自らの声を届けようと、ディレクターやプロデューサー、総合演出など番組制作上での立場を明かしてツイッター上で発言しています。ネット上で私の名前は「さがP」、柳内は「Web担やなぎ」です。

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