ある「恋愛バラエティ」が挑む、"壮大な実験"

テレビ離れする若者を取り込む「恋んトス」の仕掛け

10代から20代の一人暮らしの若者にとって、今や「部屋にいらない家電」の上位に上がるほど、若者のテレビ離れは進んでいる。
テレビ放送を見る時間が減り、手元のスマートフォンでインターネットを利用する時間が増え続ける中で、「テレビを見ながらインターネットを利用してもらう」ことで、テレビ離れに歯止めをかけようと、テレビとインターネットの同時利用を想定した番組がテレビ各局で生まれている。
そんな番組のひとつであるTBSテレビのバラエティ番組「恋んトス」のプロデューサー嵯峨祥平氏(以下、さがP)と、デジタル技術を担当する柳内啓司氏(以下、Web担やなぎ)に、企画部門と技術部門が一体となって行う最新のテレビ番組制作、その舞台裏を聞いた。 
恋愛バラエティ「恋んトス」の裏側で展開されるSNS戦略がすごいことになっている?

今のテレビには「早く続きが見たい!」が足りない

――「モデルの卵、歌手志望、歯学生、料理教室講師などオーディションで選ばれた男女8人が一夏を共に過ごし、恋が芽生えれば告白、返事がOKならカップル成立という設定の恋愛バラエティ」という番組内容を聞くと、放送局は違いますがフジテレビで1999年から2009年まで放送されていた「あいのり」を思い出します。

さがP:「恋んトス」は、10~20代の視聴者が多いのですが、20代以上の視聴者の中には、そういう感想を言う人も多いですね。一方で、「あいのり」や「未来日記」を見たことがない10代の人々は新鮮さを感じているようです。

企画としてこだわりのポイントは、番組名にも現れているように「指令が出たらコイントスをして、出た面が表か裏かによって、その後、やらなければいけない行動が変わる」という設定にしているところです。この設定によって、予測できない事態が起こる頻度は上がり、制作スタッフとして想定する「いちばん面白い展開」にならないこともあります。

コインを投げて、その後の行動を決めるのが「恋んトス」の特徴

たとえば、「番組構成上、重要なポジションに位置すると考えている出演者がコイントスによって脱落者に」なったりすると、これからどうなるんだろう、と私自身が手に汗を握り焦ります(笑)。

私が一視聴者だった10代の頃は、、「早く続きが見たい!」と次の放送が待ちきれない思いで、日本テレビ制作のバラエティ番組「進め!電波少年」やTBSテレビ制作の「ガチンコ」などの番組を見ていました。

今のテレビ番組には「早く続きが見たい!」と視聴者に思わせる力が少なくなっていることを実感していて、若い人が能動的に見たいと思える番組を作りたいと考えています。入社当時から何度ボツにされても「恋愛もの」の企画を出し続けてきたのは、私が無類の恋愛好きだからというわけではなく(笑)、若い人にとって恋愛ものの吸引力は普遍的だと思っているからです。

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