コロナ禍初、欧州「鉄道見本市」はどう変わったか 入場に「ワクチン証明書」、目玉の新車展示なし

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イタリアの商業都市ミラノで隔年開催されるEXPO Ferroviaria。2020年のイノトランスが中止となったため、久々の鉄道業界向け見本市となった(筆者撮影)
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コロナ禍によってわれわれの生活にはさまざまな制限が設けられ、不便を強いられてきた。とくに猛威を振るっていた2020年は、世界中で大きなイベントが中止や延期となり、日本でもオリンピックが今年2021年に延期となったことは記憶に新しい。

これはビジネスの世界でも同じで、毎年あるいは隔年で開催されていた大きな博覧会や展示会がほとんどすべて中止となってしまった。鉄道業界では、ドイツのベルリンで隔年開催されていた、世界最大の鉄道技術見本市「イノトランス」が中止となっている。

その後、ワクチン接種が進んだことで各国は徐々に規制を緩和した。宿泊施設や飲食店は営業を再開し、今夏は多くの旅行客がある程度自由に移動できるようになった。

コロナ禍以降初の大型鉄道見本市

そんな最中、コロナ禍以降では初の大型鉄道見本市となる「Expo Ferroviaria(エクスポ・フェロヴィアリア) 2021」が9月28日~30日にかけての3日間、イタリアのミラノで開催された。今年で10回目となるこの見本市は、イノトランスと重ならないように2年おきの奇数年に開催され、今年は14カ国から180社以上の出展者が参加した。

存在感が大きくなったシュタドラーのブース。手前は地元ミラノ向け新型トラム車両のモックアップ(筆者撮影)

世界的にも知名度が高いイノトランスと異なる点は、会場敷地内に実物の車両を展示する場所がないため、実物車両の展示が行われる場合は近隣の駅、もしくは会場隣にある車両基地を間借りして行われること。それでも十分なスペースがあるわけではないので、展示される車両も少数に限られる。

久しぶりに開催された鉄道見本市だが、会場の様子はどうだったのか。そして、コロナ禍はどんな影響を与えたのだろうか。

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