まず、食費を節約するために、「あえて加工食品や冷凍食品を買う、しかも『激安加工食品』に目がない」という人の話を紹介しましょう。
主婦のAさんは、自他ともに認める「節約の達人」。夫と子ども(5歳、8歳)という4人家族で、「月の食費が3万円台」だそうです。
「1週間の買い物を7000円以内」と設定しているとのことで、激安スーパーや人気の会員制倉庫型店を回って、予算内に収めるそうです。
その内容は、私にとっては少々驚きでした。とにかく「生鮮食料品」が極端に少なく、「加工食品」が大半を占めているのです。
「節約の達人」に「抜けている視点」
肉や魚は「揚げるだけ」「レンチンするだけ」の冷凍品が大半で、野菜も冷凍品が多く、生鮮はプチトマトとカイワレ大根ぐらい。
ほかはハム・ベーコン、インスタントラーメン、カップスープ、大量の菓子パン。子どもたちの朝食は毎朝、菓子パンなのだそうです。個別包装のものは高くつくので、もっぱら5~6個入りのパックを買うといいます。
Aさんがいうには「たとえば生の鶏肉を買って味を付けて揚げるより、下味がついていて揚げるだけの業務用の大容量の冷凍品のほうがはるかに安上がり」なのだそうです。
確かに「家族4人で月に3万円」というのは、「節約」という観点からは立派でしょう。しかし、Aさんの食生活に「すっぽり抜けている視点」があります。それは「その食品は、いったいどうやって作られているか」という視点です。
この食生活をしている限り、Aさん一家は、毎日かなりの量の食品添加物を摂取してしまっています。
たとえばAさんがよく買うという「業務用のチキンナゲット」。原材料表示には、「鶏肉」「小麦粉」「パン粉」「食塩」「香辛料」のほか、「調味料(アミノ酸等)」「リン酸ナトリウム」「増粘多糖類」「着色料」「甘味料」などの食品添加物が入っていたりします。
これで1キロ800円台だそうで、「生の鶏肉を買って調理するより、こっちのほうが安いんです」とAさんはニッコリ。
ほかにも、「業務用ハンバーグ」「業務用ミートボール」「冷凍の牛丼の素」なども、Aさんがよく買うラインナップだそうです。
では揚げるだけ、レンチンするだけの加工品が、なぜ材料を買って家で作るより安上がりとなるのでしょうか。
もちろん、大量生産・大量販売、その他コストカットのためのさまざまな工夫ということはあるでしょう。しかしそれだけではない、やはり「カラクリ」があります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら