「根回しがヘタな人」がわかっていない5つのコツ 正しい提案しても通らないのは上がバカではない

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最近、会社でリーダーに求められる要件が大きく変わってきています。

今までは成果を上げ、上司の覚えがいい人がリーダーになってきました。

しかし今は、「この人についていきたい」と部下や後輩、あるいは事務スタッフの人から評価される人がリーダーになるのです。

日常のルーティンで現場の信頼感を先に勝ちとる

では、彼らの信頼を勝ち得るのはどうすればいいのか。それぞれの役割を尊重した対応を一貫して取ることです。具体的には、以下のようなことです。

・書類など提出納期は必ず守る
・上から目線で物事を頼まない
・「ありがとう」を声と形にして表す

経費の精算など、直接売り上げにつながらないからと後回しにすることは、もってのほかです。「バックオフィスは直接的な利益を上げない」と軽視する姿勢は、一発で見抜かれ、嫌われます。

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なるべくミスも減らしたいところです。書類の不備やミスはバックオフィスの仕事を大いに妨げます。

周りはあなたのことをよく見ています。自分より立場が弱そうな人に強く、立場が上の人には弱い態度を取る人が一番信頼されません。

時には普段のお礼として差し入れをするのも効果的です。遠方に出張に出た時は「九州限定 明太子ポテトチップス」のようにご当地もののお土産を買ってきてもいいでしょう。値段は安くていいのである程度日持ちして一人ひとりに配れるものが万能です。

「そんな小さなことで?」と思われるかもしれませんが、実際にはこうした小さな積み重ねと、終始一貫した態度が信頼を生み出すのです。根回しの分母を増やすとあなたの味方が増えるので、結果、分子である上への根回し時の影響力が増すことになるのです。

松本 利明

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松本利明(まつもと・としあき)
人事ジャーナリスト、コンサルタント、HRストラテジー代表、MSC(マネジメントサービスセンター)エクゼクティブアドバイザー、プライスウォーターハウスクーパース、マーサー・ジャパン、アクセンチュアのプリンシパルを経て現職。外資系・日系の大手から中堅企業までの組織・人材マネジメント改革に従事。クライアント数は18年間の累計で300社を超える。著書に 『M&Aを成功させる組織・人事マネジメント』(日本経済新聞社)。寄稿、講演多数

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