日本株がちょっぴり上がってもいいと考える理由 「利上げ騒動」のドタバタはいったん終わった

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「COP26」を無難にこなした岸田首相。日本株は出遅れているが、上昇する可能性があると見てよさそうだ(写真:AP/アフロ)

「馬渕さんのお仕事の内容を示すには、どう記述したらよいですか」。最近はメディアからこのように尋ねられることがよくある。

「経済や市場動向を分析している馬渕治好氏」と、枕言葉を名前の前につけて報じてくださることもある。これは「そう記述すると、視聴者や読者にわかりやすい」という意図だという。「アナリスト」と聞いても、このコラムの読者などはともかく、世間一般では何をしている人か、ピンとこないようだ。

「グローバル・マクロ・ストラテジスト」とは?

「一般の方にわかりやすいかどうか」という点を度外視してよければ、「グローバル・マクロ・ストラテジスト」とお答えしている。「ストラテジスト」とは、投資戦略を立案する者、つまりどういう国のどういう資産に投資をするのが有望か、ということを示す業務だ。通常はそれにとどまらず、例えば日本株に投資を行うのが有望であれば、どういうセクターがよいか、さらにそのセクターの中ではどの銘柄がよいか、という点まで提示することが通常だと思う。

ところが筆者は、「マクロ」ストラテジストと称している。セクターや銘柄までは見通しを述べず、日経平均株価やニューヨーク(NY)ダウといった、市場全体の動向にしか踏み込んでいない。

その背景を述べると、以前筆者が証券会社や運用会社で勤務していた際は、勤務先の調査部門に数十名の企業アナリストが在籍していて、個々の担当企業を取材し、個別企業の財務諸表を詳細に分析していた。そうした方々の地に足を着けた調査があったからこそ、筆者は個別銘柄を含めた投資判断を提示できていた。

しかし今は、1人で経済・市場分析業務を営んでいる。個々の企業に取材したり、財務諸表を詳しく分析したり、細かい業界統計に踏み込んで調べることまで手が回らない。そのような有望銘柄を提示するために必要不可欠な分析ができていないのだから、でたらめに当て勘や度胸で(「長年の経験に基づいて」とも言う)有望銘柄を挙げる、ということをするのは、まったく良心的ではない。そのため、市場全体の分析にとどめている、という次第だ。

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