恋愛未経験32歳男性が新婚生活で知った妻の正体

「婚活から卒業したい」一心で選んだ故の悲劇

コロナもあって、新婚旅行もしないまま2人の新婚生活はスタートした。

家は、2人の職場に通いやすい所に2LDKを借りたのだが、「リビングを共有スペースにして、2部屋はそれそれの部屋にしたい」というのが、みさえの提案だった。

一緒の部屋で寝たのは最初の1週間だけ

「それぞれの部屋は好きに使うのだけれど、寝るのは僕の部屋で一緒にということになっていたんです。ベッドは場所を取るから、布団を2組買いました。越した日の夜、部屋を暗くしてから、僕が彼女の体に触れようとしたら、『今日は引っ越しで疲れたから、もう寝たい』と言って、くるりと背中を向けてしまった。無理やりすることもできないし、確かにその日は僕も疲れていたので、おとなしく寝ました」

ところが、そんな状態が1週間続いた。さらにみさえは「隣に人が寝ていると落ち着かないし、寝不足だと昼間仕事に集中できないから、別々で寝たい」と言い出し、自分の部屋に布団を敷いて1人で寝るようになった。

「その日から寝室が別になったんです。仲のいい男友達にそのことを話したら、『それはおかしいだろう。大丈夫なのか? 新婚なのに』って言われたんですよね」

もう1つ、気になることがあった。毎晩、1時間コースの長電話を、母親としていたのだ。

「夕食を終えると自分の部屋にこもって、ずっと話をしている。それが終わるとお風呂に入って、また自分の部屋に戻り、今度はゲームをしている。自分の考えていた新婚生活とは、程遠い日々になりました」

そんな生活が1カ月続き、さすがによしゆきの鬱憤も溜まってきた。そこで、ある夜、強い口調で言った。

「これじゃあ、夫婦というより共同生活者じゃないか! 結婚したんだから僕は子どもが欲しい。一緒に寝たり、エッチしたりするのは、夫婦のコミュニケーションだよね。そういうことについてどう考えているの?」

今まで語気を荒らげることがなかったよしゆきに、みさえはびっくりしたのか、少し戸惑いながら言った。

「そういうことは、ちょっと恥ずかしいっていうか。まだ2人の生活に慣れていないし、だんだんと慣れてきたら、そういうことも考えられるようになると思うから……」

ケンカをするのはよしゆきの本意ではなかったし、それ以上の言い争いはせずに自分の部屋に戻り、結局、その夜もこれまで通り別々の部屋で寝た。そこからも、みさえの母親への毎日の電話と夫婦別寝室は変わることなく、1カ月が過ぎた。

そして、がまんにがまんを重ねてきたよしゆきの怒りが、とうとう爆発した。

「そんな勝手な生活ばかりしていて、どうして僕と結婚したんだよ!」

夕食の洗いものを終え、自分の部屋に戻っていこうとするみさえの肩を掴んで、よしゆきは自分でも驚くほど大きな声で怒鳴りつけてしまった。するとみさえはブルブル震えだし、わんわんと大声で泣き出して、いったん部屋に入ると、小荷物を持って出て行ってしまった。

結局、その夜は帰ってこず、実家にいたことが深夜になってわかった。

そこからは「離婚したい」の一点張り。話し合いにもならず、1カ月後に離婚となり、3カ月の短い結婚生活は幕を閉じた。

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