恋愛未経験32歳男性が新婚生活で知った妻の正体 「婚活から卒業したい」一心で選んだ故の悲劇

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相談所に登録している女性は、結婚願望がある人たち。それに、仲人が結婚までの道筋を引いてくれるので、女性経験のない自分でもなんとかなるのではないかと思ったのだという。

「入会するときに、仲人さんから『あなたの条件なら、お見合いはいくらでも組めますよ』と言われて、半信半疑でした。でも、本当にお見合いは切れることなく組めたので、自分でも驚いてしまった。ただ、女性と1対1でお茶を飲むのも、話をするのも、生まれて初めての経験だったので、最初はお見合いしても断られ続けました」

5人の婚活女性に立て続けに断られ…

5人立て続けに断られたときには、心底落ち込んだ。だが、この連載や、ほかの婚活サイトのコラムを読んだりしながら、自分には何が足りないのかをいろいろと考えたという。

「どんなふうに話を振ったらいいのかとか、なんの話題を選べばいいのかとか、相槌の方法とか、自分なりに研究したんです。それでも繰り返していけばだんだん慣れていくもので、5回を過ぎたあたりから、お見合いでもあまり緊張しなくなったし、交際希望がもらえるようになりました」

まったく野球をしたことがない人がバッターボックスに立っても、球は打てない。しかし、立ち続けているうちにバットに球がかするようになり、だんだんと当たるようになる。何事も経験が大事だ。また男女は相性あってのことなので、会い続けていくうちに、お互いのことを気にいる相手が出てくる。

「交際希望ももらえるようにはなったんですが、そこから1、2度食事をすると断られることが多くて、そこからも苦戦していました。そして、1年たった頃に、結婚までたどり着けた女性に出会えたんです」

それが、みさえ(32歳、仮名)で、1つ年上の女性だった。

「ヘンな先入観があって、年上は絶対に嫌だったんです。年下がよかった。でも、年下だとこっちがリードしようと気負ってしまうし、試しに年上の人とも会ってみようかと。向こうからの申し込みだったので、承諾して、お見合いをしました」

お見合いの後に交際になったら、年下女性と付き合っていたときよりも、ずっと楽だった。

これまでデートでは、店はすべてよしゆきが決めていたのだが、みさえは、「ここに行きたい」「あそこに行きたい」と店を指定してくる。それはチェーン店系列ではなく、小洒落たお店が多かったので、それなりに値段はするのだが、自分で決めなくてよいのが楽だった。

「『なんでこんなにお店をたくさん知っているの?』と聞いたら、『母が美味しいものを食べるのが好きで、よく一緒に食べ歩いている』と言っていました」

そして、デートを重ねていくうちに、とんとん拍子に交際は前に進んでいった。お見合いから2カ月後には真剣交際に入り、その2カ月後には、よしゆきがみさえにプロポーズ。2人は成婚退会をした。

退会後には両家に挨拶をし、結婚式はコロナが落ち着いてからすることにして、住む家を決めたりと、準備を進めていった。

「この時点で手は繋いでいたんですけど、それ以上のことはしていなかったんです。ビルの最上階の夜景のきれいなレストランでプロポーズし、駅まで向かう帰り道に、暗がりの路地でキスしようとしたら、「恥ずかしいから」と拒否られた。映画とかドラマでは、道端や公園でキスしてますけど、確かに誰が見ているかわからない場所でするのはどうかなと思い直して、結局その日はそのまま駅で別れました」

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