JR千葉駅に挑戦、京成「千葉中央新駅ビル」の秘策 街に足りないピース埋め、人の流れを取り戻せ
JR東日本の千葉駅は千葉都市モノレールが乗り入れ、京成電鉄の京成千葉駅が隣接する千葉市内の一大ターミナル駅だ。そこからJRと京成の高架下に延びるショッピングストリートをぶらぶら歩きながら南下すると、徒歩10分弱で京成の千葉中央駅に到着する。
千葉中央駅の東口の真上には京成のフラッグシップホテル「京成ホテルミラマーレ」がそびえ立つ。駅直結の映画館「京成ローザ10」もあり、千葉中央駅には「中央」を冠するにふさわしい大規模駅の風格が感じられる。
一方、2020年度の1日平均乗降人員は1万5296人で京成全69駅中23位。京成の駅では中規模程度の位置づけだ。東京寄りの京成津田沼との間は日中ほぼ10分おきに電車が走るが、逆方向となるちはら台との間はほぼ20分おきと半減する。
千葉中央に再びにぎわいを
そんな千葉中央駅の西口に10月29日、新たな駅ビルが開業した。京成千葉中央ビル。地上8階建てで、1階は京成グループのスーパーおよびマクドナルドなどのファストフード店、2階には100円ショップの「ダイソー」が入居する。3階には室内ゴルフ場やシェアオフィスが入居するほか、医療モールも開業予定。4〜6階はオフィスで100%成約済み。7〜8階はホテルミラマーレの別館が入居する。
もともとは1967年にオープンした4階建てのビルだったが、3〜4階にあったボーリング場が1974年に閉鎖しその後は空きスペースとなっていた。1〜2階しか利用されていなかったことに加え、築50年あまりが経過し老朽化していたことから、建て替えて高度利用することになった。総事業費は約50億円だ。
「JR千葉駅エリアに移ってしまったにぎわいの中心を千葉中央エリアに取り戻したい」――。
完成した京成千葉中央ビルの概要を説明してくれた京成電鉄の清水健司執行役員の表情は、単なる駅ビルの完成にとどまらない意気込みを感じさせた。
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